こんにちは、かじです。
今回は足首捻挫の中でも内反捻挫(内返し捻挫)についてお話しします。スポーツで一番多い捻挫がこの捻挫です。ですから、今回はこの内反捻挫に焦点を当てて詳しく解説していきます。
自分が大丈夫でも、身近に必ずいる怪我ですから、最後まで読めば今まで見ていた事とつながって深く理解できるはずです。それでは始めていきましょう。
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足首捻挫で外側が腫れた時の対処法とは
「また足首を捻挫しちゃいました。。」
「けど、大したことないから大丈夫!」
そう言って、何事も無かったようにプレーを続ける選手達。よっぽどひどい捻挫でなければ病院に行こうともしません。周りとのレギュラー争いが激しければ激しいほど、シーズン中に大事な試合が近ければ近いほど、周りの目も気にしてか選手は病院から遠ざかります。
確かに、スポーツにあまり関心のない医者にとっては足首捻挫は軽症の怪我なので、「骨は問題ないよ。ただの捻挫だね。」というくらいの説明で終わってしまう事も多々あります。そういう事を経験すると、どうせ病院に行っても同じことを言われるだけと、足が遠のくのも分かります。
しかし、軽い捻挫なら病院に行かなくても何とかなるでしょうが、何とかなるというのにも色々なレベルがあると思うのです。
どうせなら、高いレベルで何とかしてしまいたいのですが、そのためには少しだけ足首について学んでいく必要があります。この記事の内容だけで十分なので、分厚い教科書なんかを読まなくても大丈夫です。
この記事は、捻挫の対応をより深く理解したい方に向けて書いています。
今回は、足関節の中でたった1つの靭帯にフォーカスしてお話しします。この1つの靭帯について理解する事で色々な事が分かってくる筈です。今後の記事で分からなくなったら何回でも読み直してもらえるような、辞書的な役割も持たせているので、丁寧に解説していきます。
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足首の外側にある靭帯
足首の外側には主に3つの靭帯があります。そのうち、今回は1つの靭帯についてお話しします。
今回注目するのは前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)という靭帯で、足首外側の前の方にあります。
靭帯は関節を安定させる働きをします。もう少し詳しく言うと、靭帯は関節で骨と骨をつないで関節が一定以上動かない様に制限しているのです。
そして、たいていの場合は靭帯の名前を見ると、どの骨をつないでいるのかが分かります。
前距腓靭帯という名前を分解してみると、「距骨(きょこつ)と腓骨(ひこつ)の前の方をつなぐ靭帯」という意味である事が分かります。そして、たいていは心臓から遠い方の骨の名前が最初につきます。
上の図を見ると、腓骨よりも距骨の方が心臓よりも遠くにあるので、距骨⇒腓骨の順番で「距腓」という並びになります。
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前距腓靭帯の働き
さて、靭帯が関節の動きを制限していると言いましたが、この前距腓靭帯は足首のどのような動きを制限しているのでしょうか。
それは自分の体で簡単に感じる事ができます。
まずは足首を内反(内返し)にしてみて下さい。そうすると、足首の外側が突っ張る感じがすると思います。これが、外側の3つの靭帯にテンションがかかった状態です。
次に足首を底屈(伸ばす)して内反(内返し)させてみて下さい。今度は外側の前の方が突っ張る感じがするのではないでしょうか。そこが前距腓靭帯です。
ですから、このようは形でグリッと捻挫した時に前距腓靭帯を損傷するのです。ちなみに、このような捻挫を「内反捻挫」と呼びます。
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医者に一目置かれる言葉
軽い捻挫で病院に来る人はあまりいませんが、もしかしたら骨折してるかもと心配な時には病院でレントゲンを撮ってもらいます。
その診察室で医者に言ってみて下さい。「試合中に足首を内反してしまって、多分捻挫だと思いますが、骨折が無いか心配できました。」と。ここで、「内反」という言葉を使っているのがポイントです。
「お、この人は良く知ってるな。」と思われて親切にアドバイスしてもらえるかもしれません。医者も話をよく理解できそうな選手には沢山アドバイスしたいものなのです。
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まとめ
今回は前距腓靭帯についてお話ししました。
足首を
- 内反
- 底屈
の方向に捻挫すると損傷するのでした。
病院ではここで覚えた単語をたまに混ぜて使うと医者に一目置かれるかもしれませんよ。
それでは今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。