足首の内反捻挫や外反捻挫ってどういう意味?医者が足首の動きを詳しく解説

09.172015

この記事は4分で読めます

こんにちは、かじです。

 

今回は足首の動きについてお話ししていきます。足首の動かし方には全て名前が付いていて、それを知ると医者との会話がスムーズになります。医療者でなければ知らない知識ですが、これを知っていると他の人と差を付けられます。簡単な単語をいくつか覚えるだけなので、ぜひチャレンジしてみて下さい。

 

それでは、この記事を読んでいるあなたの能力が最大限に発揮され、所属するチームに貢献できるように祈りながら進めていきます。

 

参考記事
▶かじのプロフィール

 

 

足首の動きをちょっとだけ詳しく知ろう

足首捻挫についてもう少しだけ詳しく学ぼう!という向上心のある方に向けてこの記事も書いていきます。

 

前回の骨の話に引き続いて、今回は足首の動きについてです。今回も足首の事を「足関節(そくかんせつ)」と呼んでいきますね。

 

 

「捻挫しやすい方向ってあるの?」

「捻挫予防のテーピングってどうやるの?」

 

 

これからそんな疑問のお答えしていこうと思うのですが、その為には今回の記事の内容を知っていると理解が進みやすいです。

 

 

以前この話をした選手が病院に行った時、この記事で出てくる言葉を使って医者に説明したら、「君はよく知ってるね!」と驚かれてすごく親切に相談に乗ってもらえたそうです。

 

色んな事を知っているとそんな所でも得をするんだなと思ったのを覚えています。

 

 

そして、今回の記事も周りの人に話すと、「よくそんなこと知ってるな!」と言われるレベルの内容です。

 

短時間で効率よく学んでいきましょう。

 

 

参考記事
▶足首の痛みと腫れが外側か内側か前側か後ろ側にあるかで治療が変わる!!医者による足首の痛み部位別まとめ

 

 

 

足関節が動きを表す3つの軸とは

では早速始めていきますが、足関節が動く方向を理解する為には、3つのセットとすると分かりやすいです。

 

それは

  • 「背屈」と「底屈」
  • 「内反」と「外反」
  • 「内旋」と「外旋」

の3つです。

 

例えばテーピングを巻く時は、「今回の怪我は底屈と内反を止める方向に巻こう。」といった感じでこれらの用語を使います。

 

 

それぞれ図を使って説明していきます。

 

参考記事
▶足首の痛みと腫れが外側か内側か前側か後ろ側にあるかで治療が変わる!!医者による足首の痛み部位別まとめ

 

 

 

足関節の背屈と底屈とは

まずは、「背屈」と「底屈」です。

 

 

足首の動き 底屈と背屈の図説

足首の動き 底屈と背屈の図説

 

 

この様に、指を甲の方に反らす方向を「背屈」、足を踏み込む方向を「底屈」と呼びます。

 

 

サッカー選手向けに言い換えると、インサイドキックの形が「背屈」インステップキックの形が「底屈」です。

 

こっちの方がきっと分かりやすいですね。

 

参考記事
▶足首の捻挫と骨折の違いとは?足首の骨や靭帯などの基本構造を医者が徹底解説

 

 

 

足関節の内反と外反とは

続いて「内反」と「外反」です。

 

 

足首の動き 内反と外反の図説

足首の動き 内反と外反の図説

 

 

図で分かると思いますが。「内反」は内返し捻挫の方向で、「外反」はその逆です。

 

 

足関節捻挫で最も多いのは内反捻挫である事を覚えておくときっと得をします。

 

病院で医者に「今回は内反捻挫しました」と言うと一目置かれる事は間違いありません。

 

参考記事
▶足首内側の靭帯を捻挫した痛みについて~外反捻挫を詳しく解説~

 

 

 

足関節の内旋と外旋とは

最後は「内旋」と「外旋」です。

 

 

足首の動き 内旋と外旋の図説

足首の動き 内旋と外旋の図説

 

 

これは、「内反」と「外反」と間違いやすいですが、足の甲を捻らないで、踵(かかと)を支点にしてつま先が扇状に動くと言えばよいでしょうか。

 

 

この動きで損傷してしまう靭帯もあるので、その時になったらもう一度説明したいと思います。

 

参考記事
▶足首の捻挫と骨折の違いとは?足首の骨や靭帯などの基本構造を医者が徹底解説

 

 

 

足首捻挫をしやすい方向とは

以上を踏まえて、あと一歩踏み込みます。

 

上で説明した足首の構造上、足首が動きやすい方向というのがあります。言い換えると、足首を捻りやすい方向とも言えます。

 

それは、底屈と内反です。その理由をこれから説明していきます。

 

 

骨の模型を実際に手に取ると分かりやすいのですが、つま先を上げる方向の背屈にすると、脛骨と腓骨とでできるすき間に距骨がガッチリとはまり込みます。この形では内反や外反の方向には動きにくくなり、捻挫しにくい状態です。

 

逆に足首を踏み込む形の底屈では、距骨のはまりが浅く、簡単に内反や外反の方向に足首は動きます。

 

 

 

この様に、背屈と底屈では、骨の形によって動きやすさが決まっています。

 

 

今度は靭帯による制限です。内くるぶしにある三角靭帯はとても分厚くて丈夫です。それに比べて、外くるぶしの3つの靭帯はそれぞれが細く、三角靭帯に比べると弱い靭帯です。

 

 

 

自分の足で試してみて欲しいのですが、足を内反させていくと外くるぶしの周辺が突っ張りますよね。

 

 

これは、外側の3つの靭帯にテンションがかかっている状態です。ですから、これが行き過ぎると捻挫をして靭帯を損傷してしまいます。

 

 

逆に外反してみると内側にテンションがかかっているのを感じる事ができると思います。

 

足首外反の図説 三角靭帯が突っ張りそれ以上のテンションがかかると損傷する

足首外反の図説 三角靭帯が突っ張りそれ以上のテンションがかかると損傷する

 

この靭帯強度の違いが理由で足首は内反しやすい構造になっているのです。

 

 

 

まとめ

ここまで、足関節の動きについてお話ししました。

聞いた事の無い言葉も沢山出てきて大変だったと思います。

 

今回は

  • 「背屈」と「底屈」
  • 「内反」と「外反」
  • 「内旋」と「外旋」

の3つだけ覚えてください。そうすれば、スッキリと整理できるはずです。

 

 

これであなたはそこら辺の選手には負けない知識を手に入れました。

 

これからはその知識がどんどんつながっていきます。

 

 

「なるほど!この時の為にあの説明をしていたんだ!」と納得する場面が必ず来るはずです。遠回りに見えてこうやって基本的な事を積み上げていくのが、実は1番効率的だったりします。

 

 

 

それでは今回はこの辺で失礼します。

ありがとうございました。

 

 

 

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プロフィール

はじめまして、かじです。私はアスリートを目指していましたが怪我で諦めました。その後、スポーツドクターを志し、現在はアスリートからスポーツ愛好家の方々の怪我を治すのはもちろん、彼らの能力が最大限に発揮されるようにサポートしています。私自身がアスリートを目指していましたし、現在まで多くのプロ選手をサポートしてきたので、スポーツドクターの視点から選手がステップアップするためのヒントをお伝えすることができます。ですから、怪我をしている時はもちろんのこと、怪我をしていなくても私が伝えられることは沢山あるのです。そして、私はアドバイスをする時は、現役時代だけではなくその人の人生全体を見た時にどうするべきかという視点を大切にしています。壁にぶつかったり、行き詰ったりしていて、何かヒントが欲しい時は気軽にお問い合わせ下さい。そうすることできっと前に進めるはずです。 ⇒詳しくはこちら

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