くるぶし骨折の治療についてリハビリと手術方法を医者が徹底解説

09.142015

この記事は4分で読めます

こんにちは、かじです。

 

今回は足首のくるぶし骨折の治療についてお話しします。手術方法やその後のリハビリについて気になる情報をお伝えしていきます。

 

それでは、この記事を読んでいるあなたの能力が最大限に発揮され、所属するチームに貢献できるように祈りながら進めていきます。

 

参考記事
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くるぶし骨折の治療とは

足首の骨折をしてしまって手術が必要になった。さて、あなたはどんな手術をするのか知らずに、全てを担当の医者に任せますか?

 

まぁ、それも1つの考え方ですが、自分の身体にどんな事をされるのか知らないのは怖くありませんか?

 

 

手術が終わってからレントゲンを見せて説明する事が多いですが、その時に、「うわっ、こんなに大きな金属が入っている!」とビックリするのか、「おー、聞いていた通りだ。ちゃんとできてる。」と納得するか。これは大きな違いです。

 

 

さらにもう1つ言える事は、私がスポーツのプロ選手に接していて感じる事は、彼らは自分の体にものすごく興味を持っています。自分の体1つで勝負している彼らですから当然と言えば当然です。

 

彼らはどんなにこちらが良いと思って勧めても、自分が納得できなければ素直に治療を受け入れません。それくらい自分の身体に責任を持っていますし、自分の体に対する感覚が敏感です。

 

 

ですから、早いうちから自分の身体について考える習慣をつけるという意味でも、自分が受ける手術の内容くらいは知っておくべきだと思います。

 

 

それでは、これから具体的な足首骨折の手術方法について解説していきます。

 

参考記事

▶足首の痛みと腫れが外側か内側か前側か後ろ側にあるかで治療が変わる!!医者による足首の痛み部位別まとめ

 

 

 

くるぶし骨折のリハビリの重要性とは

始めに1つだけ説明しておかなくてはなりません。手術を受ける患者さんと話していて、みんな誤解しているなと感じる事です。

 

以前お話しした様に、骨折に対する手術の目的は、離れた骨を元に近い位置に戻す事です。

 

元に近い位置というのはどういう事かというと、そもそも、一度骨折してしまった骨は、その後100%の形で元に戻る事はありません。それはどんなに素晴らしい手術をしてもです。

 

 

皮膚を一度擦りむいてしまったら、そこに傷痕が残るのと同じで、怪我の前の状態と全く同じに戻ることはありません。

 

 

しかし、ガッカリしないで下さい。動きや筋力はリハビリ次第で元よりも良い状態になります。

 

ちょっとくらい骨の形が変わっても、体はその環境に適応してケガの前よりも力が付く事だってあり得るのです。結局は最善を尽くすしかないという事です。

 

参考記事

▶足首の捻挫だと思ったら骨折だった!!医者が外果骨折と内果骨折の違いを徹底解説

 

 

くるぶし骨折の手術を解説

骨折を元の位置に近づける為には、金属を使って固定をします。その金属の種類は何十、何百種類あって、ここでその全てをご紹介する事はできません

 

しかし、足首骨折に関してはその方法がほぼ決まっていますので、その方法に関してお話ししていきます。

 

前にお話しした様に足首の骨折は、

  • 外果骨折(外くるぶしの骨折)
  • 内果骨折(内くるぶしの骨折)

に分けられますので、それぞれについて説明してします。

 

参考記事

▶足首の捻挫だと思ったら骨折だった!!医者が外果骨折と内果骨折の違いを徹底解説

 

 

 

外果骨折の手術とは

まずは外果骨折の手術についてです。外果とは腓骨(ひこつ)の先端の事で、いわゆる外くるぶしです。

 

左足首の外果骨折の手術前のレントゲン 外果が斜めに骨折している バラバラではないので手術は難しくない

左足首の外果骨折の手術前のレントゲン 外果が斜めに骨折している バラバラではないので手術は難しくない

 

ここの骨折にはほぼ100%でプレートという金属を使います。

 

 

左足首の外果骨折の手術後のレントゲン プレートを使用している

左足首の外果骨折の手術後のレントゲン プレートを使用している

 

 

プレートというのは金属の板で、これを外果の外側に合わせるようにあて、骨折部を挟み込むようにスクリューを2-3ずつ打って固定します。

 

ここでは実は2種類のスクリューを使っているのですが、詳しく分かる必要はないです。

 

 

しかも、外果は皮膚の下はすぐに骨ですので、神経や血管を損傷する可能性もほとんどありません。

 

とにかく、良い形に整復してプレートとスクリューで固定する。ただそれだけです。

 

 

整形外科の手術の中でも難易度は高くありませんので、安心して手術を受けて下さい。

 

参考記事

▶足首の痛みと腫れが外側か内側か前側か後ろ側にあるかで治療が変わる!!医者による足首の痛み部位別まとめ

 

 

 

内果の手術とは

続いて内果の手術です。内果とは脛骨の先端の事で、いわゆる内くるぶしの事です。

 

ここの骨折に対しては2種類の手術があります。

 

それは、

  • スクリューのみを使う方法
  • 8の字締結法(ていけつほう)

(※またの名をtension band wiring。これは聞き流してもらってよいです。)

 

 

右足首の内果骨折 手術前のレントゲン このレントゲンでは他の部分の骨折しているが内果のみに着目する

右足首の内果骨折 手術前のレントゲン このレントゲンでは他の部分も骨折しているがここでは内果のみに着目する

 

上のレントゲンを見てもらっても分かる様に、内果骨折は、内果が欠けてしまったという表現がしっくりときます。

 

このかけてしまった骨片(こっぺん、骨のかけらの事)の大きさによって2つの手術を使い分けます。

 

スクリューのみを使う方法は2本の比較的太いスクリューを使うので、骨片が大きくないと行う事ができません。

 

 

ただ、こちらの手術の方が簡単で固定力も変わらないので、できればこちらを選択したいところです。

 

 

右足首の内果骨折 手術後のレントゲン 2本のスクリューで固定している もう1本のスクリューは他の骨折を固定している

右足首の内果骨折 手術後のレントゲン 2本のスクリューで固定している もう1本のスクリューは他の骨折を固定している

 

しかし、骨片が小さくスクリューが入らなさそうな時は、もう1つの方法を使います。

 

こちらは1mm程度の金属棒を2本使い、その後に金属の曲げられる糸を用いて8の字に固定します。

 

8の字にするのには難しい理論があるのですが、その方が固定力が大きいからと思って下さい。

 

 

参考記事

▶足首の捻挫だと思ったら骨折だった!!医者が外果骨折と内果骨折の違いを徹底解説


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まとめ

ここまで、足首骨折の具体的な方法をお話ししてきました。

 

足首骨折には、

  • 外果骨折
  • 内果骨折

の2種類があり、

 

外果骨折には

  • プレート

を使った手術を

 

内果骨折には、

  • スクリューのみを使う方法
  • 8の字締結法(ていけつほう)

のどちらかを行うのでした。

 

 

それぞれ完成後のレントゲンを見ておけば、自分が手術後にレントゲンを見せられた時にもそれほどビックリする事無く受け入れられるでしょう。

 

 

それでは今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。

 

 

 

 

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プロフィール

はじめまして、かじです。私はアスリートを目指していましたが怪我で諦めました。その後、スポーツドクターを志し、現在はアスリートからスポーツ愛好家の方々の怪我を治すのはもちろん、彼らの能力が最大限に発揮されるようにサポートしています。私自身がアスリートを目指していましたし、現在まで多くのプロ選手をサポートしてきたので、スポーツドクターの視点から選手がステップアップするためのヒントをお伝えすることができます。ですから、怪我をしている時はもちろんのこと、怪我をしていなくても私が伝えられることは沢山あるのです。そして、私はアドバイスをする時は、現役時代だけではなくその人の人生全体を見た時にどうするべきかという視点を大切にしています。壁にぶつかったり、行き詰ったりしていて、何かヒントが欲しい時は気軽にお問い合わせ下さい。そうすることできっと前に進めるはずです。 ⇒詳しくはこちら

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