こんにちは、かじです。
スポーツをしていて一番多いケガは足首の捻挫ではないでしょうか。
病院に来る人の中でもダントツに多いですし、中には捻挫くらい病院に行かなくても大丈夫を思っている人も沢山いるようです。
しかし、そんな人達の中に必ずいるのが、足首を捻ったけど自然に治るだろうとほったらかしていたけど、結局全然腫れが引かずに相談しに来るケースです。
中には実は骨が折れていたけど病院に来るのが遅れたせいでこれからの生活に支障が出る場合もあります。
この記事を最後まで読めば、骨折してる場合は何となく分かるようになるはずですので、自分や周りでケガをした人達の役に立てます。
そういう訳で、この記事が少しでもあなたのお役に立てれば嬉しいです。
それでは、早速始めていきましょう。
目次
足首捻挫と骨折は判断が難しいのか?
病院で診察をしていると、たまにこんな患者さんが来ることがあります。これは実際にあった高校生のO君の例です。
ある日、病院で診察していると、顔なじみのO君がやってきました。「2週間前に試合で足首を捻って、捻挫だと思って様子を見ていたのですが痛みが引きません。」足首はものすごく腫れていて痛そうですが、引きずりながらも何とか歩いています。
これは普通の捻挫ではないな、と感じてレントゲンを撮ってみると・・・。あらら、なんと骨折しています。
痛くて練習はできなかったけどそのうちよくなると思って様子を見ていた様です。ただ、2週間を無駄に過ごしてしまったかと思うと残念でなりません。
足首捻挫や骨折から早く復帰する為には
例えば試合中に足首を捻ってしまって、プレーの続行は難しそうという場合があります。
そうなった時にまずすべきなのは、
- 怪我の状態を知る事
- 応急処置
です。
私も経験がありますから怪我をしてしまった直後はぶつけようのない後悔の気持ちになり何もする気になれないのは分かります。しかし、心を鬼にして言いますが、ここで気持ちの切り替えをどれくらい早くできるかで、復帰までの期間が決まります。
つまり、怪我をしてしまったのはもう変えられない過去なので、その後にどれくらい早く正しい応急処置をし、怪我を治すための行動をする事ができたか。それが復帰の時期を左右します。
応急処置(RICE処置)はどんな怪我でも共通の処置なので素早く行うのはもちろんのこと、怪我の状態を正確に知る必要があります。
何回か同じような捻挫をしていて、今回も同じ感覚であれば必要ないかもしれませんが、そうでない場合は病院に行ってレントゲンを撮ってもらって下さい。万が一、病院に行かず捻挫か骨折かの判断を間違えてしまったら、対応が遅れて復帰が数週間遅くなります。
骨折をしているかはレントゲンを見ればすぐに分かりますから、少しでも不安があれば病院でレントゲンと撮ってもらった方が安心です。
足首捻挫と骨折の違いとは
さて、なぜ同じように足を捻ったのに捻挫で済む場合と骨折してしまう場合があるのでしょうか。
それに答えるのは簡単ではありませんが、怪我をした時の
- 足首の動き方
- 力のかかる方向
- 力の大きさ
などの要素が組み合わさって、ある条件を満たすと骨折してしまうのです。
そもそも、怪我は体が耐えられる以上の力がかかった時に生じます。そして、体のどこかが耐えきれずに破綻するのですが、それが靭帯であれば捻挫、骨であれば骨折となります。
普通は靭帯よりも骨の方が頑丈なイメージがあるので、小さな力なら捻挫で、大きな力がかかると骨折と考えるかもしれません。しかし、そう単純ではなく靭帯も骨も力のかかる方向によって強かったり弱かったりします。
例えば、骨は普通に折ろうと思ってもなかなか難しいですが、ぞうきんを絞るようにねじる方向には弱いと言われています。これ以上詳しくは説明しませんが、ちょっとした力の方向やかかり方によって捻挫になる場合と骨折になる場合があるのです。
このように、もし私自身が怪我の瞬間を見ていても、それが捻挫か骨折かを言い当てるのは簡単ではありません。
ですから、ちょっとでもおかしいなと思ったら、病院でレントゲンを撮ってもらうのが最も早くて正確な方法です。
足首の骨折に多い症状とは
ここからは、実際に足首ではどのような骨折が起こるのかを解説していきます。前回お話しした様に、足首は3つの骨から構成されている複雑な関節ですから、骨折の種類も非常に多くなっています。
医学的には、足首の骨折は数十種類に分けられますが、今回はそういう話はしません。ここでは、選手がする足首の骨折の中で最も多い2つの骨折だけをお話ししていきます。
それは、
- 外果骨折(外くるぶしの骨折)
- 内果骨折(内くるぶしの骨折)
の2つです。
これからそれぞれの骨折について説明していきます。
足首の外果骨折とは
外果骨折とは、足首の外くるぶしの骨折です。外くるぶしとは腓骨(足首の外側の骨)の端です。
この外果には、
- 前距腓(ぜんきょひ)靭帯
- 踵腓(しょうひ)靭帯
- 後距腓靭帯
の3つが付いていますので、足首を内返しに捻ると、この靭帯が損傷するか外果が骨折するかという事になります。
足首の内果骨折とは
それとは逆に、内果骨折とは、足首の内くるぶしの骨折です。内くるぶしとは下の図からも分かるように脛骨(足首の内側の骨)の端の事です。
この内果には、
- 三角靭帯
が付いていますので、この靭帯が損傷するか内果が骨折するかという力がかかった事になります。
足首の捻挫と骨折を見極める方法
レントゲンを撮れば骨折しているかは分かるとはいえ、私も現場で怪我人を見た時に、これは骨折していそうか大丈夫そうかという判断は常にしています。そこで、その時にどんな所を見て判断しているかをお話しするので、自分で判断する時のヒントにして下さい。
ただし、少しでも迷ったら病院に行ってくださいね。(しつこく言う!笑)
骨折を見極める方法として、私がいつもしている事は
- 変形があるか
- 圧痛点(押して痛い場所)
- 腫脹部位(腫れている場所)
の確認です。
まず、見た瞬間に変形していればほぼ骨折間違いなしですのですぐに病院に行きましょう。
次に、押して痛い、晴れている場所についてです。
骨折していれば必ずその部分を押したら痛く、腫れます。ですから、よーく触ってみると、靭帯と骨の場所は違いますので分かる事が多いです。しかし、ひどいケガの場合はものすごく腫れるので、良く分からない事も多いし、触ると痛いのでかわいそうなので、あまりしつこく触らずに、病院でレントゲンを撮る事にしています。
まとめ
ここまで足関節骨折についてお話ししました。
足関節骨折には大まかに言うと
- 外果骨折(外くるぶしの骨折)
- 内果骨折(内くるぶしの骨折)
の2つがありました。
骨折の有無を判断する方法には、
- 変形
- 圧痛点(押して痛い場所)
- 腫脹部位(腫れている場所)
を判断の助けにするのが良いという話もしました。
それから、とにかく最も強調させてもらったのは、迷ったら病院に行くという事です。
できるだけ早く復帰する為には非常に大切な事ですので、頭の片隅に置いておいてください。
それでは今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。