こんにちは、かじです。
今回は外反捻挫(外返し捻挫)について解説していきます。スポーツで最も多いのは内反捻挫(内返し捻挫)ですが、今回の外反捻挫の方が治療に時間がかかる事が多く、特にサッカーのように強く踏み込むようなスポーツではやっかいです。
今回は基本的な所から治療の方法まで、最後まで読んで頂ければこの記事だけで外反捻挫の事はある程度分かるようにお話ししていきます。
それでは、この記事を読んでいるあなたの能力が最大限に発揮され、所属するチームに貢献できるように祈りながら進めていきます。
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足首内側の靭帯とは
今回は前回に引き続き、足関節(そくかんせつ、足首のこと)のたった1つの靭帯について解説します。
前回の前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)は、スポーツでは最も頻繁に捻挫する靭帯でした。
今回説明する靭帯は頻度こそ少ないものの、捻挫すると治療に時間がかかる非常にやっかいな靭帯です。
教科書なんかで勉強するよりは分かりやすいと思いますので、ここで効率的にパパッと学んでしまいましょう。みんなより一歩先の知識が手に入るはずです。
さて、前回は足関節の外側に靭帯について解説しましたが、今回は内側の靭帯です。足関節の内側には下の図にあるような三角靭帯(さんかくじんたい)という大きな靭帯があります。
外側には3つの靭帯がありましたが、この三角靭帯はとても大きくて丈夫な靭帯で3つの靭帯を合わせたのと同じくらいの強さがあるかもしれません。ですので、簡単には捻挫はしないのですが、一度痛めると長引くやっかいな捻挫なのです。
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足首内側を捻挫するとどうなるのか
では、三角靭帯ってどのような形で損傷するのでしょうか。
前回を少し思い出してください。外側の靭帯は内反(内返し)捻挫で損傷したのですから、内側の靭帯はその逆、つまり外反(外返し)捻挫で損傷する事は分かると思います。
「けど、普通はそんな動きになる事は少ないよな?」と思った方もいるかもしれません。確かに普通に運動していて外反捻挫になるのは非常に珍しい。しかし、サッカーではこのような動きになる事が多いのでこの捻挫は起こるのです。
その動きとは、
- インステップキックの軸足
- ボールカットしようと足を出した時
の2つです。
上の画像ではコーナーキックを蹴っていますが、軸足が外反しているのが分かるでしょうか。
体を倒して蹴ろうとするほど外反は強くなります。例えば、サイドを突破してギリギリの状態でセンタリングを上げようと体を倒して踏み込む時なんかもよく捻挫します。(※サッカーをしていない人は分からないかもしれませんね。すみません。)
あとは、相手のパスをカットしようと足を出した時。意外とボールに勢いがある時や当たり所の悪い時に足が外側に持っていかれて捻挫します。
他のスポーツでもこの靭帯が損傷する事はありますが、こういったサッカー特有の動きによっても三角靭帯は損傷しやすいのです。
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足首内側の痛みが続く原因とは
捻挫をすると復帰後は同じ方向に動かない様にテーピングなどで固定します。
しかしいくら固定をしてもプレー中はどうしてもその方向に動いてしまう事もあります。多少の助けにはなりますが、テーピングは絶対ではありません。
三角靭帯を損傷する動きの解説をしましたが、この動きはサッカーをする上で避けられません。せっかく復帰したのにサッカーをするからにはやはりインステップキックはしなくてはならないし、ボールカットの為に足も出します。
そうした時にまたピキッと痛んでしまい、再発する事も多々あります。
どうしても長引く時は注射などの対応をする事もありますが、その動きをすると痛みが出るので、私にとっても悩ましい問題です。
ですがひとまずはこれ以上ないというくらいテーピングでガチガチにする所から始めるといいでしょう。そして、痛みが取れてきたら少しずつテーピングの量や種類を変えて固定を弱くしていきます。
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まとめ
ここまで、足関節内側にある三角靭帯について解説しました。
- インステップキックの軸足
- ボールカットしようと足を出した時
に損傷するサッカー特有のケガでした。
サッカー選手でこの捻挫に悩まされた経験のある方は多いはずですが、ここまで知っている選手はあまりいません。悩んでいる選手がいたら教えてあげて下さい。
それでは今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。