膝の骨折では歩けるまでの治療期間と入院期間とリハビリ期間は最短でどのくらいか?

04.172016

この記事は6分で読めます

こんにちは、スポドクKです。

 

今回は膝のお皿(膝蓋骨=しつがいこつ、と呼びます)の骨折についてお話しします。最後には治療期間が短くなるおすすめの方法を書いているので、ぜひ参考にしてください。

 

それでは、この記事を読んでいるあなたの能力が最大限に発揮され、所属するチームに貢献できるように祈りながら進めていきます。

 

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2年前の夏、私のサポートしていたサッカー部の高校生のK君と大学生のA君が全く同じ日に交通事故に遭いました。私のいる病院に来てレントゲンを撮ったところ、2人とも左膝のお皿を骨折していました。

 

しかし、K君は手術をしないで済んだのに、A君は手術が必要という結果になりました。同じお皿の骨折だったのに、なぜ2人の治療には違いがあったのでしょうか。

 

参考記事

▶膝蓋骨骨折の手術とリハビリの禁忌を医者が徹底解説

 

 

 

膝の骨折でも歩けるのか?症状で分かるヒビの見分け方とは

 

 

「ヒビ」と「骨折」、よく聞くこの2つのケガの違いは何でしょうか?

 

 

一般的にはヒビと骨折は分けて考えられますが、正確には(医学的には)両方とも骨折です。

 

ヒビとはズレていない骨折のことで、手術しなくても治る事がほとんどです。(※正確には、ヒビ=不全骨折と呼びます。)そして、勘のいい方はもう気付いたと思いますが、今回の場合は高校生のK君がヒビ(不全骨折)で、大学生のA君がズレた骨折でした。

 

 

これだけだったら話は簡単なのですが、今回の2人に関しては、もう1つ骨折の種類に違いがありました。実はその違いのせいで、K君は骨折しても骨がズレなかったのにA君は骨がズレてしまったのです。

 

 

さて、ここからは少しだけ専門的な話になるので、時間の無い方は次の章に進んでもらった方がいいかもしれません。

 

 

膝のお皿の骨折はいくつかの種類の分かれますが、ここでは2つの種類についてだけお話しします。その2種類の骨折は折れる方向で分けられます。

 

 

K君の縦割れ骨折

K君の縦割れ骨折

 

このように縦に割れている骨折はズレにくく、ほとんど手術になりません。その理由は図からも分かる様に、お皿の骨は筋肉や靭帯で上下に引っ張られているので、縦割れでは骨折部(=骨折した場所)が離れる方向に力がかからないのです。

 

 

A君の横割れ骨折

A君の横割れ骨折

 

それに比べてA君の骨折は横割れで、この方向に骨折すると骨折部が開く方向に力がかかるのでズレやすくなってしまいます。そういった理由もあり、K君は骨折していても歩いて病院に来たのに対して、A君は自分で歩く事はできずに同僚の肩を借りて片足でケンケンして来たのです。

 

 

2人の骨折の違いはお話しましたが、それでは完治までにかかる治療期間に違いはあるのでしょうか?

 

普通に考えると、治療期間はK君>A君と思いそうですが、その結果のままであれば私がここで話す必要はありません。笑

 

それでは、早速解説していきます。

 

参考記事

▶膝蓋骨骨折の手術とリハビリの禁忌を医者が徹底解説

 

 

 

膝の骨折で治療期間はどのくらい?完治までのリハビリを解説

 

 

一般的に、骨折が完治するまでの期間は、成人で2-3ヶ月です。ただし、成人になる前は若ければ若いほど骨折の回復は早くなります。ほぼ1ヶ月で完治した小学生も見たことがあります。

 

 

また、骨折に関して意外と知られていない事実をお話ししておかなくてはなりません。

 

それは、骨が治癒する時には骨折した面と面がくっ付いていれば骨同士はくっつくが、離れているとどれだけ待ってもくっつく事はない、というものです。

 

これが何を意味するかというと、

  • 自然とくっついてくる場合は手術をする必要はなく
  • 時間をかけても治らない場合は手術が必要

ということです。

 

 

つまり、K君はヒビ(不全骨折)だったので、骨折した骨同士にズレはなく手術は必要なかったのに対して、A君は骨折部がズレていたのでいくら待っても骨はくっつかないと考えて手術に踏み切りました。

 

という事は、手術とは、

・人工的にズレた骨折をヒビに近い状態にしてあげる事

になります。

 

ですから、手術でしっかりと固定できた場合は、元々ヒビであったものと治療期間は変わりません。むしろ、強力に固定されているので手術した方が早く治るかもしれません。

 

 

 

話は変わって、ここからはスポーツ選手に特に大切な考え方ですが、ケガの完治とスポーツ復帰の時期とは考え方が全く違うのを覚えておいてください。

 

骨折部が完治してからトレーニングを始めたのでは遅く、ケガをしていない所はむしろ積極的にトレーニングをし、ケガが治ったらできるだけ早く復帰する為の準備をしなくてはなりません。

 

これに関してはスポーツ復帰を早めるキモなので、また別の機会に詳しく解説します。

 

参考記事
スポーツリハビリをするトレーナーの病院での仕事内容と資格と年収を解説

膝の骨折で入院期間は手術後にどのくらい必要か

 

 

膝のお皿の骨折で手術が成功すると、手術翌日には歩いてもいいですし、動きの制限は無くなります。

 

つまり、曲げ伸ばしをしても良いし、体重をかけてもよいという事になります。

 

 

入院期間について考える時は、そもそも、なぜ入院するのかという事を考えれば分かりやすいです。なぜ入院するかというと、自宅での生活に困っているからですよね。

例えば、

  • 足を骨折して歩けない
  • 点滴をずっとしている必要がある
  • もしもの時は素早い対応が必要である

など、病院にいないと体に害があると考えられる場合に入院するのです。

 

ですから、いくら手術後だと言っても、ドンドン歩いていいよと言われている患者さんは早めに退院できるよね、となるのが自然の考え方です。

(※さらに言うと、例えば病院が満床の場合、軽症の方から退院をお願いする場合もあります。お皿の骨折で手術した方は、その候補に挙がりやすいです。)

 

 

あともう1つ考えておかなくてはならない事は手術で切った傷についてです。

 

膝の手術の傷は約2週間で抜糸できますが、実はその傷と入院期間は関係ありません。抜糸する前に退院して外来に来てもらった時に抜糸する事はよくあります。

 

つまり、抜糸するまで入院する必要はないのです。

 

 

とは言っても、手術後に私達が最も気を付けているのは傷口からばい菌が入る事で、術後数日は最も危険な時期です。ですので、いくら早く退院できるとは言っても最低2-3日は入院してもらいたい、というのがホンネですが。

 

 

もし、傷口からばい菌が入ってしまった場合はもう1回手術が必要となる事もあるので、早めに退院できたとしても傷の管理には十分に気を付けてもらいたいところです。

 

 

 

膝の骨折で痛くないように完治させる為に必要な事とは

 

 

お皿の骨折は、膝の関節のケガです。

 

関節のケガの場合、動く範囲を元に戻す、というのがとても大切です。これができないと別の場所にムダな力がかかり、痛めてしまう事もあります。

 

 

そして、どんな関節でも2週間近く動かさないでいると硬くなってしまいます。(※これを拘縮(こうしゅく)と呼びます。)

 

一度硬くなった関節をもう一度元に戻すのはとても大変なので、手術後は多少痛くても関節を動かすリハビリをします。場合によっては、痛み止めを飲んででも動かした方が良い時もあるほどです。

 

痛いとその場所を大事にし過ぎて動かさない人も多いのが現状です。しかし、このような理由から医者が動かしていいと言ったら痛みをこらえて積極的にリハビリをした方が、結果的に治療期間が短くなる場合も多いのです。

 

 

まとめ

 

今回は、膝のお皿の骨折についてお話ししました。

ここからはこの記事の内容をまとめていきましょう。

 

  • ヒビ=不全骨折であり、ズレていない骨折の事である。

 

お皿の骨は筋肉や靭帯で上下に引っ張られているので、

  • 縦割れ ⇒ 骨折部が離れる方向に力がかからないのでズレない。
  • 横割れ ⇒ 骨折部が開く方向に力がかかるのでズレやすい。

 

 

  • 一般的に、骨折が完治するまでの期間は、成人で2-3ヶ月。

 

 

骨折をした場合、

  • 自然とくっついてくる場合は手術をする必要はなく、
  • 時間をかけても治らない場合は手術が必要。

 

つまり、手術とは、

  • 人工的にズレた骨折をヒビに近い状態にしてあげる事。

 

 

・手術でしっかりと固定できた場合は、元々ヒビであったものと治療期間は変わらず、むしろ、強力に固定されているので手術した方が早く治る。

 

・膝のお皿の骨折で手術が成功すると、手術翌日には歩いてもいいし、動きの制限は無い。

 

 

・膝の手術の傷は約2週間で抜糸できるが、最低2-3日は入院してもらいたい。

・傷口からばい菌が入ってしまった場合はもう1回手術が必要となる事もある。

 

 

 

これらを参考にして少しでも早く完治する事を願っています。

 

それでは、今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。

 

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プロフィール

2017-04-08_151306 はじめまして、スポドクKです。私はプロサッカー選手を目指していましたが怪我で諦めました。その後、スポーツドクターを志し、現在はプロ選手からスポーツ愛好家の方々の怪我を治すのはもちろん、彼らの能力が最大限に発揮されるようにサポートしています。私自身がプロ選手を目指していましたし、現在まで多くのプロ選手をサポートしてきたので、スポーツドクターの視点から選手がステップアップするためのヒントをお伝えすることができます。ですから、怪我をしている時はもちろんのこと、怪我をしていなくても私が伝えられることは沢山あるのです。そして、私はアドバイスをする時は、現役時代だけではなくその人の人生全体を見た時にどうするべきかという視点を大切にしています。壁にぶつかったり、行き詰ったりしていて、何かヒントが欲しい時は気軽にお問い合わせ下さい。そうすることできっと前に進めるはずです。 ⇒詳しくはこちら

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