こんにちは、かじです。
今回は足首捻挫の予防法をお伝えします。足首捻挫の予防といえばテーピングを真っ先に思い出すかもしれませんが、その他にも方法はあります。いくつか方法をお伝えしますので、自分に合う方法を模索してみて下さい。
それでは、
参考記事
▶かじのプロフィール
足首捻挫の予防が必要な高校生S君
ある日、病院の外来で診察していると、高校生のS君が診察室に入ってきました。
通常、病院では診察室に入る前に看護師が患者さんに話を聞きます。その内容を診察カードというメモ用紙に書き込み、医者がその患者さんの診察前に目を通す流れになります。そのひと手間で私達は患者さんの基本的な情報を事前に知る事ができ、診察の時間短縮につながっているのです。
診察カードには、
- 名前や性別、年齢
- どこをケガしたのか
- いつケガしたのか
- どのようにケガをしたのか
などが書いてあります。
その日の最初の患者さんの診察カードに目をやると
- 17歳、男性
- 右足首
- 昨日、サッカーの試合中に捻った
と書いてありました。
いつも通りに保護者と一緒に診察室に入ってもらいました。彼はお父さんと一緒に来ていたのですが、どうもそのお父さんに見覚えがあります。
「えーと、、誰だったかな・・・」と引っかかったまま診察は始まりました。
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▶足首の痛みと腫れが外側か内側か前側か後ろ側にあるかで治療が変わる!!医者による足首の痛み部位別まとめ
あ!あの時のお父さんだ!!
私達は毎日沢山の人に会うので、顔は見たことあるけど名前が分からない事はよくあります。話を聞くと、彼は右足首がすぐに捻挫してまって困っているとのこと。
試合の時にはお父さんがテーピングをして予防しているが、それでも頻繁に捻挫をしてしまう。
「へぇー、お父さんがテーピング巻くなんて偉いな。けどちゃんと巻き方勉強したのかな。もしかしたら巻き方が間違っているんじゃ・・・・」
「ん?なんか同じことを最近思ったような・・・」
「・・・あー!!分かった!!あの時のお父さんだ!!!!!!」
前回の記事を読んでもらっている方は分かると思いますが、そのお父さんはあの時見た間違えたテーピングを巻いていたお父さんだったのです。なんと、あの時息子のテーピングを逆に巻いていたお父さんが目の前に現れたのです。
お父さんはこう質問してきました。「いくらテーピングしても息子は捻挫しちゃうんですよ。何かテーピングの他にいい予防方法はありませんか?」
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▶捻挫のテーピングは簡単だが外反捻挫にしてはダメな巻き方を医者が解説
捻挫予防に最も効果的な方法とは
ここで一旦、お父さんの事は置いておいて、
テーピング以外の足首捻挫予防法をお伝えします。
他にも色々とあるかもしれませんが、私がお勧めするのは主に
- バンテージ(弾性包帯)
- サポーター(何でもいい訳ではない)
の2種類です。
特に、
テーピング>バンテージ>>>サポーター
である事に気を付けて下さい。
ぶっちゃけ、テーピングに勝る予防方法はありません。できればテーピングで予防すべきです。Jリーグのチームや全国レベルのアマチュアチームは、練習ごとにトレーナーがテーピングを巻いてくれます。
しかし、テーピングはお金がかかります。私も経験しましたが、おそらく月に2-3万円程度。しかも予防なので毎回巻かなくてはなりません。
特に学生には簡単に出せる金額ではなく、どうしても厳しい時にはバンテージやサポーターをしてもらっています。
参考記事
▶足首捻挫のテーピングの巻き方は簡単なのか?医者のおすすめ動画まとめ
バンテージとは何か
上に出てきたバンテージとは、弾性包帯の事です。
厚手で伸縮性のある包帯ですが、
これは繰り返し使う事ができます。
ポイントは、
- しわにしない
- 巻く方向に気を付ける
- きつく巻きすぎない
- フィギアエイト、ヒールロックを入れる
と、ほとんどテーピングの注意点と同じです。ですから、テーピングの素材が変わっただけと思って下さい。
言葉だけでは分かりにくいでしょうから、こちらの動画で巻き方を見て、実際に巻いてみて下さい。
参考動画
参考記事
▶足首捻挫のテーピングの巻き方は簡単なのか?医者のおすすめ動画まとめ
どんなサポーターがお勧めか
私が足首捻挫の相談をされても、基本的にはサポーターはお勧めしません。というのも、テーピングとバンテージに比べて固定力が弱い、という事が既に様々な所から報告されているからで
ただし、そのなかでもどうしてもサポーターがいいという場合には、マジックテープで止めるタイプのものをお勧めしています。
画像(準備中)
サポーターというと薄いゴム状のもので靴下のように履くだけ、といったタイプのものが多いのですが、これは全く意味がありません。
画像(準備中)
足首が包まれている感じがして安心感があるだけで、固定力は全くないと思って下さい。
マジックテープ付きのサポーターは捻挫しやすい方向に動かない様に一応は固定できます。この様に、捻挫予防には巻く方向がとても大切で、そういう機能が無いサポーターは予防には意味がありません。
しいて言えば、体を温める程度でしょう。
▶捻挫のテーピングは簡単だが外反捻挫にしてはダメな巻き方を医者が解説
まとめ
今回はテーピング以外の予防方法についてお話ししました。
しかし、固定力は
テーピング>バンテージ>>>サポーター
であり、テーピングが最も固定力が強いのでした。
「テーピングの他にいい予防方法はありませんか?」とお父さんが質問した気持ちは分かりますが、他の予防法もテーピングの正しい巻き方を応用しているだけです。
ですから、このお父さんには他の予防方法を教えても意味はなく、テーピングの正しい巻き方を伝えるしかありません。
伝え方が難しいなと悩みましたが、巻き方が間違っている事には触れずに、正しい巻き方とポイントを重点的に説明させてもらいました。
お父さんが勘違いしていた所の説明では、一瞬「え?」という顔をしましたが、その後に理由を丁寧に説明したら納得していた様子でした。その後にお父さんのテーピングが効果を発揮し、二度と捻挫をしない事を祈るばかりです。
それでは今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。