捻挫のテーピングは簡単だが外反捻挫にしてはダメな巻き方を医者が解説

09.282015

この記事は4分で読めます

こんにちは、かじです。

 

今回は足首捻挫のテーピングについてお話ししていきます。テーピングに関しては何度かお話ししていますが、今回はその落とし穴についてです。せっかく効果があると思って巻いたテーピングが実は逆効果になっているとしたら、とても残念ですよね。そんな事を防ぐ為にもぜひこの記事で正しい方法を学んでください。

 

それでは、この記事を読んでいるあなたの能力が最大限に発揮され、所属するチームに貢献できるように祈りながら進めていきます。

 

参考記事
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捻挫のテーピングは簡単?

ある日曜日、私がサポートするチームの試合を見に行った時のこと。アマチュアの大会なので、2面あるグランドは両方とも土。次の試合のチームは試合をしているグランドの脇でウォーミングアップをしています。

 

 

「今日も暑いな。」と思いながら、いつものように試合前に選手達をチェックし、テーピングなどの処置をします。

 

 

午前10時に私達の試合は始まります。チームは一丸となりいい感じ。皆から絶対に勝ちたいという気持ちが伝わってきます。

 

試合前にはベンチの前でチーム全員が円陣を組んで、

「行くぞ!!」

「おーー!!!!!」

と気合を入れました。

 

 

前半はお互いに決定的なチャンスを作りながらも決めきれずに0-0で終了。ハーフタイムには試合中のケガ人をチェックし、必要があればさらにテーピングなどの処置をします。

 

 

その日は前半にケガ人はありませんでした。「何とか後半は点を取ってくれないかな。」、と思いながら時間が空いたタイミングでトイレに行きました。

 

 

 

試合会場は広い公園で、私達のベンチから100m位の所にトイレがあります。そこに行って帰ってくるまでの間にいくつものチームが試合の準備をしていました。

 

参考記事

▶足首捻挫のテーピングの巻き方は簡単なのか?医者のおすすめ動画まとめ

 

 

 

捻挫のテーピングは外反でも内反でも同じでよいのか

何気なく選手が足首にテーピングをしてもらっている姿が目に入りました。トレーナーというよりは、お父さんかなという印象。アマチュアのチームにはトレーナーやドクターがいない事の方が多く、選手の父母が無償でサポートしている事がよくあります。

 

「お父さんもテーピングを勉強してえらいな!」と感心して通り過ぎようとすると、

 

「ん?」

「・・・あれ?」

「おいおい!そのテーピングはちょっと!」

 

思わず口に出そうになりました!何と、テーピングの巻き方が完全に間違えています。

 

 

「いやいや、それじゃ予防どころか逆に・・・!」

「これは教えてあげた方がいいのか?けど、全く知らない人だしな。」

なんて迷っているうちに、私達のベンチで円陣ができています。その親子を横目で見ながら、急いで私も円陣に加わりました。

 

監督の指示が終わりキャプテンの掛け声が終わった頃には、父親のテーピングは巻き終わり、息子のウォーミングアップが始まっていました。

 

 

せっかく息子の為と思ってしてあげていたテーピング。それが逆効果になっているなんて思ってもいない父親。

 

その親子関係を想うと、私が出しゃばって正しい巻き方を教えるのも何だかなぁ、と後半が始まってからもモヤモヤした気持ちが続いていました。

 

参考記事

▶足首捻挫のテーピングの巻き方は簡単なのか?医者のおすすめ動画まとめ

 

 

 

捻挫のテーピングの巻き方を解説

さて、ここから本格的にテーピングの巻き方をお話しします。

 

まずはこちらの動画を見てください。動画を作成しているDOME社はテーピング関連の会社では大手です。

 

私も動画を作ってみましたが、個ここまでのレベルのものはできませんでした。より分かりやすいようにこちらの動画を採用する事にします。

 

 

 

 

いかがだったでしょうか。この動画でしているテーピングは、内反捻挫(内返し捻挫)予防が目的です。

 

 

捻挫のほとんどは内反捻挫ですので、その場合はこれで完璧です。

 

 

ただ、その中でも1点だけどうしても注意して欲しい事があります。はたして、あのお父さんはどんなテーピングをしていたのでしょうか。

 

参考記事

▶足首捻挫のテーピングの巻き方は簡単なのか?医者のおすすめ動画まとめ

 

 

 

捻挫のテーピングには正しい方向がある

動画の中には沢山の言葉が出てきましたね。

 

  • アンカー
  • スターアップ
  • ホースシュー
  • ヒールロック
  • フィギアエイト

 

全てを覚えなくてもいいですが、この中で特に巻く方向に注意する必要があるのだけ覚えてください。

 

それは、

  • スターアップ
  • フィギアエイト

の2つです。

 

 

以前の記事で、サッカー選手がしやすい捻挫は内反捻挫という話をしました。

 

 

右足首が内反捻挫している画像

右足首が内反捻挫している画像

 

 

この捻挫を予防する為には、それと逆の方向にテーピングで引っ張ってやります。

 

 

スターアップを巻く方向の図説 内反捻挫の場合は内側から外側へと足首を引っ張り上げるイメージで巻く

スターアップを巻く方向の図説 内反捻挫の場合は内側から外側へと足首を引っ張り上げるイメージで巻く

 

フィギアエイトの図説 内反捻挫の時にはスターアップと同様に内側から外側へ引っ張り上げる

フィギアエイトの図説 内反捻挫の時にはスターアップと同様に内側から外側へ引っ張り上げる

 

 

これ、逆に引っ張るとどうなるかもう分かりますよね。

 

捻挫の予防のつもりが、逆に捻挫を起こしやすくなるという・・・例のお父さんがしていたのがまさにこの逆方向のテーピングでした。
▶捻挫のテーピングは簡単だが外反捻挫にしてはダメな巻き方を医者が解説

 

 

まとめ

ここまで、足首の内反捻挫を予防するテーピングについて話してきました。

 

ポイントは分かったでしょうか。

 

  • スターアップ
  • フィギアエイト

の2つを捻挫をしやすい方向とは逆に引っ張るのでした。

 

 

ひとまずはこの点だけ分かっていれば、テーピングは捻挫予防にはとても効果的です!

 

ただし、テーピングの効果は1時間で半分以下になるというデータもありますので、1日で2試合する時はもう一度巻いた方がいいでしょう。

 

 

さてさて、実はあのお父さんとは後日談がありまして。そのお話しはこの次の記事でお話ししたいと思います。

 

 

 

それでは今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。

 

 

 

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プロフィール

はじめまして、かじです。私はアスリートを目指していましたが怪我で諦めました。その後、スポーツドクターを志し、現在はアスリートからスポーツ愛好家の方々の怪我を治すのはもちろん、彼らの能力が最大限に発揮されるようにサポートしています。私自身がアスリートを目指していましたし、現在まで多くのプロ選手をサポートしてきたので、スポーツドクターの視点から選手がステップアップするためのヒントをお伝えすることができます。ですから、怪我をしている時はもちろんのこと、怪我をしていなくても私が伝えられることは沢山あるのです。そして、私はアドバイスをする時は、現役時代だけではなくその人の人生全体を見た時にどうするべきかという視点を大切にしています。壁にぶつかったり、行き詰ったりしていて、何かヒントが欲しい時は気軽にお問い合わせ下さい。そうすることできっと前に進めるはずです。 ⇒詳しくはこちら

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