アキレス腱の痛みで朝のランニングができないのは痛風のせい?治療と対処法を医者が解説

04.172016

この記事は5分で読めます

こんにちは、スポドクKです。

 

今回は高校サッカー部のコーチをしている彼は私の知り合いに起こった出来事をお話ししていきます。彼はある日の朝に突然右のアキレス腱が激痛に襲われて、私に連絡してきました。

 

それでは、この記事を読んでいるあなたの能力が最大限に発揮され、所属するチームに貢献できるように祈りながら進めていきます。

 

参考記事
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アキレス腱の痛みは朝に多いってホント?

 

 

ある地域の高校サッカー部のコーチをしているSさんは現在41歳です。大学を卒業後に体育の先生として母校へ帰り、サッカー部のコーチになりました。

 

彼の勤務する高校は私の自宅のすぐそばなので、たまに会って話をする間柄です。

 

 

Sさんは勉強熱心な一面と、練習で少しでもサボっている選手がいると厳しく指導する一面を兼ね備えた優秀なコーチで、彼が就任してから3年目にチームはその地域で強豪校と呼ばれるほど強くなりました。

 

 

しかし、彼は選手にはとにかく走る事を求めますが、自分はなかなか運動する時間が取れません。

 

「練習で生徒と一緒に走れば?」と彼に言った事もありますが、50人を超える選手全員を指導するので、練習中に自分が運動する時間は全然ないと言います。

 

 

体育会系の世界ですから監督や先輩コーチとの飲み会も大切な仕事です。当初はコーチとしては一番下でしたからどんどん飲まされるわ食べさせられるわ、私が見ても気付くくらいどんどん体に脂肪がついていきました。

 

 

 

「このままじゃヤバいな・・・」

と思い立ち、マジメな彼はダイエットのために朝早起きしてランニングを始めました。

 

「やっぱり、体を動かすのは気持ちがいいな。」

とさわやかさを感じていましたが、ランニングを始めてから1週間が経ったある朝、ベッドから起き上がろうとすると右のアキレス腱に激痛が!

 

「イタタ!!!なんだこりゃ!!」

何度起き上がろうとしても痛すぎて歩けません。右のアキレス腱を見ると真っ赤に腫れ上がっています。

 

 

アキレス腱の痛みがある様子が分かる模型

アキレス腱の痛みがある様子が分かる模型

 

とにかく、痛くて普通に歩く事もできないので、これはただ事ではないと思い、Sさんは私に連絡をしてきました。

 

 

 

アキレス腱の痛みでランニングができなくなる原因とは?

 

 

彼は勉強熱心なコーチだったので、生徒の為になればと考えて怪我の勉強もしていました。

 

そんな彼が考えたことは、

「このアキレス腱の痛みは何だ?」

「まさかランニングでアキレス腱が切れる訳ないよな・・・」

「最近のランニングでアキレス腱炎になっちゃったかな・・・」

「それとも、寝ている間にぶつけたかな?」

「こんなの見た事ないな、なんだこりゃ???」

 

 

その日、たまたま近くの病院で外来のお手伝いをしていた私の外来にSさんはやってきました。

 

電話でアキレス腱が痛いという事だけは聞いていたので、私も色々とシュミレーションしています。

 

運動している人がアキレス腱を痛いと言ったら、普通は、

  • アキレス腱炎
  • アキレス腱滑液包炎
  • アキレス腱断裂

などが真っ先に思い当たりますが、Sさんの話を聞いた後に右のアキレス腱を見た瞬間に、私は、

 

「あー、そういうことか!」

とすぐに原因が分かりました。

 

 

 

アキレス腱の痛みで痛風を疑う場合とは?

 

 

私がSさんのアキレス腱を見ると真っ赤に腫れていて、触ると熱くなっていました。ちょっと触れただけで彼は飛び上がるほど痛がります。

 

 

彼を診る前に私が考えていたものについて少しだけ解説すると、

  • アキレス腱炎
  • アキレス腱滑液包炎

はこんなに腫れる事はないだろうし、運動中に痛いと訴えるはずです。

 

また、

  • アキレス腱断裂

は全く腫れないしアキレス腱の凹みに触る事ができます。切った瞬間はハンマーで後ろから殴られたように感じる事が多いと言われ、その瞬間に気付かない事がまずあり得ません。何よりも、寝ている間に切れる事はないでしょう。笑

 

 

私が彼のアキレス腱を見て真っ先に疑ったのは「痛風」でした。(※正確には、尿酸値が高いことを「痛風」と呼び、それによって痛みが出たものは「痛風発作」と呼びます。)

 

すぐにレントゲンと血液の検査をした結果、

  • レントゲンでは骨に異常はなかった
  • 血液検査では尿酸値が高かった

 

この2点から痛風と考えて間違いないと判断しました。

 

 

普通、痛風といえば、約7割は足の親指の付け根に痛みが出ます。

 

痛風発作は親指の付け根に多い

痛風発作は親指の付け根に多い

 

 

しかし、

  • 冷えやすいところ
  • よく動かすところ

に痛風発作は出やすいと言われていて、アキレス腱も以外と痛風発作がよく起こる場所だということを覚えておいてください。

 

 

また、運動をする人にとってアキレス腱はよく痛める場所であり、その多くが既にお話しした、

  • アキレス腱炎
  • アキレス腱滑液包炎
  • アキレス腱断裂

などです。

 

 

しかし、Sさんみたいに生活習慣に問題がある訳ではなく、健康なスポーツ選手でも稀に痛風でアキレス腱が痛くなります。ただ、今回の場合のように診断自体は難しくないので、

  1. アキレス腱が腫れて歩けないくらい痛い
  2. 痛い場所が熱を持って赤くなっている

という2つがそろっている場合は、痛風を疑って病院に相談しに行って下さい。

 

 

 

アキレス腱の痛みが短期間で改善する治療方法とは?

 

 

痛風の治療は非常に単純で、「尿酸値を下げる」事につきます。

 

痛風発作が起こる前であれば、まずは食事を改善して尿酸値をコントロールしようとし、それでもダメなら薬を飲む事になります。

 

しかし、今回のように痛風発作が起こってしまった場合は、始めから薬で尿酸値を下げるのが普通です。

 

 

「じゃあ、薬を飲むだけでいいんだ、痛風なんて簡単簡単!」

とは上手くいきません。実はここには良く知られていない落とし穴があるのです。

 

 

もし、痛風発作が起こっている最中、つまりまだ痛い時に薬を飲んでしまうと、さらに痛みがひどくなる場合があります。

 

というのは、痛風発作は尿酸値が大幅に変動すると起こると言われていて、普通は、

  • 尿酸値はすごく上がった時

に痛くなる事が多いのですが、

 

逆に、

  • 尿酸値が大幅に下がった時

にも痛くなることがあるのです。

 

 

ですから、痛風で痛い場合は、まずは「痛み止め」の薬で十分に痛みが引いてから、尿酸値を下げる薬を少量から飲み始める必要があるのです。痛み止めを飲む期間は個人差がありますが、1-2週間の事が多いようです。(※薬の種類も沢山あり、実は痛風にも種類があるのですが、ここでは詳細は割愛させて頂きます。)

 

 

まとめ

 

 

運動している人がアキレス腱を痛い場合は、

  • アキレス腱炎
  • アキレス腱滑液包炎
  • アキレス腱断裂

などをまずは考える。

 

しかし、

  1. アキレス腱が腫れて歩けないくらい痛い
  2. 痛い場所が熱を持って赤くなっている

という2つがそろっている場合は痛風を疑い病院に相談に行くべき。

 

 

そして、

  • レントゲンでは骨に異常はない
  • 血液検査では尿酸値が高い

という結果が出た場合は痛風発作と診断して、まずは痛み止めを飲んで痛みが治まるのを待ち、その後に尿酸値を下げる薬を少量から飲み始める事になります。

 

なお、運動は痛みが無くなったら始めて構いません。

 

 

その後、約1週間でSさんのアキレス腱の痛みは無くなり、朝のランニングは続けながら尿酸値を下げる薬を飲んでもらっています。


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プロフィール

2017-04-08_151306 はじめまして、スポドクKです。私はプロサッカー選手を目指していましたが怪我で諦めました。その後、スポーツドクターを志し、現在はプロ選手からスポーツ愛好家の方々の怪我を治すのはもちろん、彼らの能力が最大限に発揮されるようにサポートしています。私自身がプロ選手を目指していましたし、現在まで多くのプロ選手をサポートしてきたので、スポーツドクターの視点から選手がステップアップするためのヒントをお伝えすることができます。ですから、怪我をしている時はもちろんのこと、怪我をしていなくても私が伝えられることは沢山あるのです。そして、私はアドバイスをする時は、現役時代だけではなくその人の人生全体を見た時にどうするべきかという視点を大切にしています。壁にぶつかったり、行き詰ったりしていて、何かヒントが欲しい時は気軽にお問い合わせ下さい。そうすることできっと前に進めるはずです。 ⇒詳しくはこちら

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