膝関節の水腫や音には手術よりもまずは注射をしてみよう!ヒアルロン酸注射を医者が解説

11.082015

この記事は5分で読めます

こんにちは、スポドクKです。

 

今回は、整形外科でまず行うレントゲン検査についてお話します。この記事の内容をちょっとでも分かっていると、医者の話もだいぶスムーズに理解できるはずですので、ぜひ参考にして下さい。

 

それでは、この記事を読んでいるあなたの能力が最大限に発揮され、所属するチームに貢献できるように祈りながら進めていきます。

 

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膝に水が溜まった大学生

ある日の午後、昼食を食べ終わって診察室に入ると、いつもサポートしている大学の選手B君がやっていました。

 

話を聞くと、「最近、右膝の調子が良くないです。」との事。

 

「どれどれ、ちょっと見せてみて。」と診察台に横になってもらい膝を診察すると、確かに右膝が腫れていて、動かすと痛がります。

 

 

「こりゃ痛そうだな。練習はできてるの?」と聞くと、「一応やってはいるんですけど、全力ではできません。」という状況。

 

B君はチームの中心選手で彼のパスから決定的なチャンスになる事がよくあります。チームにとって、彼の調子が悪いのはとても痛い。

 

 

「そうか、念のためひと通り検査してみよう。」そう言って、レントゲン、MRIの検査をしてみても、骨、靭帯、半月板にはちょっとした変化はあっても、手術をするほどではありません。

 

「大きな異常が無くてひと安心だけど、明らかに膝の中で炎症が起きてるから、まずは膝の水を抜いてみようか。」と提案し、B君もそれを受け入れました。

 

参考記事

ヒアルロン酸の膝関節への注射の効果をステロイドと比較して医者が詳しく解説

 

 

 

膝の水は繰り返し溜まる?

膝の関節は全体で大きな袋になっているので、水がたまるとパンパンになり、それだけでも動かすと痛みが出ます。なので、膝が腫れている場合は、水を抜くだけでも痛みが和らぐ事はよくあります。

 

 

その日に右膝の水を抜き、数日後に練習を見に行った時にB君に様子を聞くと、「痛みがなくなりました!調子いいです!」と水が溜まっていたのが直接の原因だったようです。

 

「お、よかったな!」とひとまずは安心していましたが、膝の炎症が完全になくなるとは考えにくく、繰り返し水を抜くことしばしば。

 

「また再発しちゃうかもな。」と思っていましたが、案の定、それから2週間ほどたったある日、またB君は病院にやってきました。

 

 

「また腫れちゃいました。」そう言って、もう一度膝の水を抜いて帰っていきました。

 

 

そういった状況がそれから何度か続き、「そろそろ次の手を打たないとな。」と思っていました。

 

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ヒアルロン酸の膝関節への注射の効果をステロイドと比較して医者が詳しく解説

 

 

膝の注射は痛みの特効薬?

私はこれでもプロサッカー選手を本気で目指していました。だから、サッカー選手がどんな風に考えているのか、手に取る様に分かります。

 

「痛いなら少し休みながら。」、「選手を引退してからの方が長いんだから、今無理すると後が大変だよ。」だとか、私も病院で言われたことがありますが、こういう言葉は選手には全く届きません。

 

 

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とにかく、目の前の試合が大切で、それに出られるのか出られないのか。引退してからの足の事なんてどうでもいいから、次の試合に出られるようにして欲しい。

 

本気でそう思っていました。

 

 

そういう想いを知っているだけに、膝の状態が変わるわけではないけれど、とりあえず次の試合に出られるように、水を抜いていました。

 

しかし、B君の場合はそれも限界にきていて、そろそろ次の手打たないと、という状況まできました。つまり、膝に何か薬を注射しないとな、という事です。

 

 

その第1候補がヒアルロン酸です。

 

正確にはヒアルロン酸にはいくつか種類がありますが、今回は細かい事は置いておいて、ヒアルロン酸注射の特徴をお話ししていきます。

 

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ヒアルロン酸の膝関節への注射の効果をステロイドと比較して医者が詳しく解説

 

 

 

ヒアルロン酸注射の特徴とは

膝だけではありませんが、関節の中には関節液というドロドロした液体があります。この関節液が潤滑油となり、関節を滑らかに動かす手伝いをしています。その関節液の主な成分がヒアルロン酸です。

 

 

膝で炎症が起こると、この関節液が足りなくなって、膝が滑らかに動かなくなります。その場合は、注射でヒアルロン酸を打ってあげると、潤滑油が足され、膝が滑らかに動くようになる、という訳です。

 

 

さらに、ヒアルロン酸自体に炎症を抑える作用があるとも言われています。ですから、膝で炎症が起きて痛い場合は、ヒアルロン酸は、

  • 潤滑油としての作用
  • 炎症を抑える為の作用

を期待されて注射されます。

 

 

これを聞くと、「ヒアルロン酸って万能じゃん!」、「膝痛い時にドンドン打とう!」と思うかもしれませんが、実はデメリットもあります。それは、ごく低い確率でばい菌が入る可能性があるという事です。

 

関節内というのは、1匹もばい菌がいない空間です。そこに針を刺して薬を入れるのです。もちろん十分に消毒をして針を刺しますが、どんなに気を付けても0.5%くらいの確率で、ばい菌が入ります。

 

一度ばい菌が入ったら運動どころではなく、入院して時には手術が必要になるのです。

 

 

そういったデメリットがあるので、どうしても必要がある時以外は注射はしたくない。というのが、ドクターの本音です。

 

 

ただ、ヒアルロン酸は聞く時には劇的に痛みを改善するので、一度注射をしたらやめられなくなる選手もいるのが現状。私もその気持ちは十分に理解できるので、注射を打つ時は、いつもめちゃくちゃ気を付けています。

 

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まとめ

ここまで、ヒアルロン酸注射についてお話ししました。

 

注射はめちゃくちゃ効くこともあるが、ばい菌の問題があるので、どうしてもという場合以外は打たないのでした。

 

しかし、サッカーに膝の痛みはつきもので、多くの選手が痛みを抱えています。

 

その痛みが短い間でも解消するなら、選手の立場からするとヒアルロン酸注射は魔法の薬と映るでしょう。

 

元々は高齢者の膝の痛みの為に開発された薬品ですが、サッカー選手は本当にお世話になっています。あと1つ、試合前日に注射をすると感覚が変わる事があるので、多くの場合は2日前に注射する事が多いです。

 

1日置くことでなじむ時間ができるようです。念のためワンポイントアドバイスでした。

 

 

大学生のB君もその後何度もヒアルロン酸注射をして、シーズン終了まで無事に試合に出続ける事ができました。

 

 

 

それでは今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。

 

次回の記事

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プロフィール

2017-04-08_151306 はじめまして、スポドクKです。私はプロサッカー選手を目指していましたが怪我で諦めました。その後、スポーツドクターを志し、現在はプロ選手からスポーツ愛好家の方々の怪我を治すのはもちろん、彼らの能力が最大限に発揮されるようにサポートしています。私自身がプロ選手を目指していましたし、現在まで多くのプロ選手をサポートしてきたので、スポーツドクターの視点から選手がステップアップするためのヒントをお伝えすることができます。ですから、怪我をしている時はもちろんのこと、怪我をしていなくても私が伝えられることは沢山あるのです。そして、私はアドバイスをする時は、現役時代だけではなくその人の人生全体を見た時にどうするべきかという視点を大切にしています。壁にぶつかったり、行き詰ったりしていて、何かヒントが欲しい時は気軽にお問い合わせ下さい。そうすることできっと前に進めるはずです。 ⇒詳しくはこちら

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