ヒアルロン酸の膝関節への注射の効果をステロイドと比較して医者が詳しく解説

11.062015

この記事は5分で読めます

こんにちは、スポドクKです。

 

今回は膝への注射についてお話しします。いくつか種類があって、それぞれに特徴がありますので、ぜひこの記事を参考にして下さい。

 

それでは、この記事を読んでいるあなたの能力が最大限に発揮され、所属するチームに貢献できるように祈りながら進めていきます。

 

参考記事
▶スポドクKのプロフィール

 

 

スポンサードリンク


 

膝関節への注射が必要となったサッカー選手

24歳で社会人リーグに所属しているI選手は、テクニックがありスピードもありとチームの中心選手として活躍しています。ポジションはサイドハーフで、試合では何度も決定的な働きをしてチームに貢献しています。

 

「おー!!すげー!!!」と観客席からも声が上がるようなプレーを一試合に何回もします。

 

 

実はそのI選手は2年前、試合中に相手と接触して膝の怪我をしています。スピードに乗ったI選手を相手は止める事ができずに、後ろから悪質なファールをされました。

 

I選手は立ち上がりましたが痛みでプレーを続ける事ができなかったので、すぐに交代をして応急処置(RICE処置)をし、その日のうちに私のいる病院に来てもらいました。

 

 

レントゲン、MRIの検査をして、右膝の外側半月板損傷という診断をし、手術が必要と判断しました。シーズンも終盤に差し掛かり、リーグ戦で優勝するにはI選手の力が必要でしたが、残念ながら長期離脱となってしまいました。

 

参考記事

膝の半月板の構造を医者が分かりやすく解説

 

 

 

膝の半月板の手術とは

怪我をしてから3日後に膝の関節鏡手術をしました。関節鏡手術とは、膝のお皿の下に1㎝位の傷を2つ付けて、1つの傷からカメラを、もう1つから処置をする方法です。

 

 

関節鏡で観察すると、確かに外側半月板は切れていましたが、その他の靭帯や半月板は問題ありません。

 

半月板が切れている場合は、縫合するか切除するかの2通りの手術方法があります。半月板はできるだけ残しておきたいものです。ですので、できれば縫合を選択したいところ。

 

2つの手術方法を簡単に説明すると、切除は切除の場合はリハビリが短くて済み、復帰まで3~4週間ですが膝にとっては望ましくない方法。

 

それに対して、縫合は膝にとっては望ましいけど、すぐに体重をかけるとまた切れる可能性があるので、リハビリに時間がかかります。だいたい3~4か月。

 

 

手術の方法は最終的には関節鏡で観察した後に決定します。縫合したくてもできない事もあるので、手術前には決まりません。I選手の場合は、切除であればシーズンの終盤にはギリギリ間に合う時期のため、話し合った末に、縫合できそうでも切除して早めに復帰させる方針になりました。

 

 

ドクターとしては難しい選択でしたが、I選手の意志は固く、何と言っても頑として首を縦に振りませんでした。

 

参考記事

膝の半月板の構造を医者が分かりやすく解説

 

 

 

ヒアルロン酸の膝関節への注射で気を付ける事とは

手術は半月板を切除して無事に終わりました。その後、予定通りに3週間半でI選手は試合に復帰しました。

 

 

I選手がいない間はチームの調子も上がらず、負けが先行していましたが、I選手の復帰を機にチームは勢いを取り戻しました。

 

こうなると監督もI選手を使わざるを得ないので、復帰したばかりなのに大丈夫かと思うくらい、毎試合フル出場です。

 

 

始めは違和感程度だった膝の調子もだんだん痛みに変わっていた様でしたが、私には言わずに自分で何とかしようとサプリメントを飲んでいた事が後で分かりました。それでもどうしようもなくなり、ついに私のところに相談に来て、アドバイスを求めてきました。

 

 

I選手が言うには、「ヒアルロン酸のサプリメントを飲んでたんですけど、あれ全然聞きませんでした。」「何か方法はありますか?」

 

「そうか、じゃあヒアルロン酸の注射をしてみよう。」と提案しました。

 

 

半月板の手術をした後に痛みが出る事はよくあり、ヒアルロン酸の注射はよく使います。当然の様にI選手に勧めましたが、彼は意外な反応をしました。

 

参考記事

▶膝の前十字靭帯損傷で手術するべきか迷っている方へ

 

 

 

ヒアルロン酸の注射は怖い?

私がヒアルロン酸の注射を勧めると、「え!マジすか!やっぱそうすよね。コワイな・・・。」と消極的な反応です。

 

よく聞くと、I選手の友人が同じ注射をしてめちゃくちゃ痛かったらしいのです。

 

 

「そりゃ針を刺すからチクッとはするけど、大したことないと思うよ。」と言ってしぶしぶ注射をする事になりました。

 

 

「いくぞ!」

「はい!」

と注射すると、

「あれ?全然痛くない!」

と拍子抜けした様子。

 

次の日に様子を聞くと、「注射めちゃくちゃ効きますね!」とコロッと態度が変わっていました。

 

 

 

ヒアルロン酸のサプリメントは意味があるのか

さて、I選手が注射を打つ前に飲んでいたヒアルロン酸のサプリメント。いったい効果があるのでしょうか。

 

 

 

 

この質問は良くされるのですが私はいつも、「飲まないよりはいいんじゃない?」と答えています。ただし、「注射の効果とは比べ物にならない。」とも付け加えます。

 

 

これはヒアルロン酸がどこに行ってしまうのかを考えるととても普通の事なのです。これから一緒に考えてみましょう。

 

 

さて、分かりやすいのでまずは注射の場合です。注射では、ヒアルロン酸を膝の関節内に直接入れるので、ヒアルロン酸が10あるとしたら10のうち全部が膝に行きます。

 

 

それに比べて、サプリメントの場合はというと、ヒアルロン酸を10飲んだとすると、まずはその全てが消化されて分解されアミノ酸になります。それから体の全身に広がってその中の一部が、膝の中のヒアルロン酸を作る材料になるのです。

 

その量は10のうちどのくらいでしょうか。正確な事は分かりませんが、1もないのではないでしょうか。

 

 

その理由は、ヒアルロン酸が分解されてできるアミノ酸とは、たんぱく質が分解されたものと同じです。それもそのはずで、ヒアルロン酸とはたんぱく質の一種なのです。

 

という事は、ヒアルロン酸のサプリメントを飲む事は、お肉を食べたりプロテインを飲んだりするのと同じなのです。

 

 

ヒアルロン酸のサプリメントは飲まないよりは飲んだ方がいいかもしれないけど、その程度。というのはこういう理由でした。

 

 

まとめ

今回は膝に対するヒアルロン酸の注射についてお話ししました。サプリメントよりは注射の方が効き目があります。

 

 

しかし、注射も魔法の薬ではないので、膝の状態がさらに悪くなったら効き目が悪くなる事もあります。そして、注射の頻度は多くても週に1回程度です。

 

 

その後、I選手は膝にヒアルロン酸の注射を打ちながらシーズンを戦い抜き、見事にチームを地域リーグで優勝に導き、来シーズンからは1つ上のカテゴリーで戦えることになりました。

 

 

ヒアルロン酸の注射に関して、実はこれにもいくつか種類がありますので、そのうちその事についても詳しくお話ししたいと思います。

 

 

それでは今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。

 

次回の記事

膝関節の水腫や音には手術よりもまずは注射をしてみよう!ヒアルロン酸注射を医者が解説


スポンサードリンク


 

 

さらにお役に立てると嬉しいです!

膝関節の水腫や音には手術よりもまずは注射をしてみよう!ヒアルロン酸注射を医者が解説

膝の半月板の構造を医者が分かりやすく解説

膝の靭帯や骨や軟骨の構造を医者が詳しく解説

膝前十字靭帯損傷の原因と症状とは?医者が靭帯の構造を詳しく解説

▶膝の前十字靭帯断裂からサッカー選手は手術とリハビリで完治するのか?医者が詳しく解説

▶膝の前十字靭帯損傷で手術するべきか迷っている方へ

▶膝の痛みが突然内側にでる原因とは?医者が半月板や内側側副靭帯について解説

▶膝蓋骨骨折の手術とリハビリの禁忌を医者が徹底解説

膝の骨折では歩けるまでの治療期間と入院期間とリハビリ期間は最短でどのくらいか?
▶足首の痛みと腫れが外側か内側か前側か後ろ側にあるかで治療が変わる!!医者による足首の痛み部位別まとめ
▶足首捻挫のテーピングの巻き方は簡単なのか?医者のおすすめ動画まとめ
▶足首捻挫の痛みや腫れへの応急処置とは?医者がRICE処置を分かりやすく解説!

スポンサードリンク
  • ヒアルロン酸の膝関節への注射の効果をステロイドと比較して医者が詳しく解説 はコメントを受け付けていません。

関連記事

  1. 14817760_xl
  2. Shirtless bodybuilder drinking protein drink sitting on bench at the gym

プロフィール

2017-04-08_151306 はじめまして、スポドクKです。私はプロサッカー選手を目指していましたが怪我で諦めました。その後、スポーツドクターを志し、現在はプロ選手からスポーツ愛好家の方々の怪我を治すのはもちろん、彼らの能力が最大限に発揮されるようにサポートしています。私自身がプロ選手を目指していましたし、現在まで多くのプロ選手をサポートしてきたので、スポーツドクターの視点から選手がステップアップするためのヒントをお伝えすることができます。ですから、怪我をしている時はもちろんのこと、怪我をしていなくても私が伝えられることは沢山あるのです。そして、私はアドバイスをする時は、現役時代だけではなくその人の人生全体を見た時にどうするべきかという視点を大切にしています。壁にぶつかったり、行き詰ったりしていて、何かヒントが欲しい時は気軽にお問い合わせ下さい。そうすることできっと前に進めるはずです。 ⇒詳しくはこちら

おすすめカテゴリー記事

  1. 16951888_xxl
  2. 足首捻挫直後の応急処置