足首の関節がゴリゴリ鳴る痛みは治療で完治するのか?医者が詳しく解説

11.012015

この記事は5分で読めます

こんにちは、スポドクKです。

 

今回は足首捻挫をくり返した足首はその後どうなってしまうのか、というお話しをします。捻挫というと軽い怪我で放っておいても治ると軽く扱われがちですが、実は何度も繰り返していると運動ができないくらいひどい状況になってしまう事もあります。

 

ここでは、そうなってしまったらどうやって対処するのか。そして、そうならない為に出来る事をお話ししていきます。

 

 

それでは、この記事を読んでいるあなたの能力が最大限に発揮され、所属するチームに貢献できるように祈りながら進めていきます。
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足首捻挫をくり返した大学生

「インステップキック(足の甲で蹴るキック)したら足首の後ろの方が痛いんですよ。なんか、詰まる感じ。」、「しかも、足首がゴリゴリ鳴る事が多くなってきた。」そう言ってきたのは、大学生のM君。

 

彼は右利きのフォワード(攻める人)ですが、たまに右のインステップキックをするのが痛くて練習ができなくなります。

 

 

「オレ、今まで何回したか分からないくらい捻挫してますよ。」そう言う彼の足首を診察すると、もうグラグラで足首の周りの靭帯は全く機能していません。

 

何度も診察していますが様子は変わらないので、「まぁ、いつも通りだな。」という感じでいつも診察を終えます。

 

 

私が動かすくらいでは足首に痛みは出ませんが、シュートやロングキックをインステップキックでする時だけ痛みが出ます。フォワードがシュートできないなんて冗談にもなりませんが、あくまでも彼は明るく振舞います。

 

「今回はマジで痛いんで注射して下さい!」こんな感じで定期的に足首に痛み止めの注射をしながら、彼はサッカーを続けています。

 

 

さて、なぜMの足首はインステップキックができないほどに痛くなってしまうのでしょうか。

 

参考記事

▶足首の捻挫と骨折の違いとは?足首の骨や靭帯などの基本構造を医者が徹底解説

 

 

 

足首の関節はなぜゆるくなってしまうのか?

さて、ここで少し復習ですが、足首の関節の周りには多くの靭帯(じんたい)があり、これがあるから足首は安定していられます。

 

 

足首の外側にある3つの靭帯

足首の外側にある3つの靭帯

 

 

足首は凹と凸がはまり込んだ形をしているので、靭帯がないと簡単にグラグラになってしまいます。

 

 

脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)の凹みと距骨(きょこつ)の凸がはまり込んでいる

脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)の凹みと距骨(きょこつ)の凸がはまり込んでいる

 

 

捻挫をくり返すと靭帯は伸びたり切れたりしてしまうので、足首を安定させる事ができなくなってしまうのです。

 

参考記事

▶足首の捻挫と骨折の違いとは?足首の骨や靭帯などの基本構造を医者が徹底解説

 

 

 

足首の関節がゴリゴリ鳴るのはなぜ?

足首はしっかりと安定されていると、軟骨がきれいに合わさって滑らかに動きます。

 

しかし、靭帯が伸びてグラグラになった足首では軟骨と軟骨の間にすき間ができ、ガコガコと骨同士がぶつかってしまうのです。

 

 

ちょっとくらいのダメージなら問題ありませんが、激しいスポーツをしてそのダメージが積み重なると、ぶつかった軟骨同士がすり減ってきてしまいます。

 

軟骨は骨の表面をコーティングしているので、その軟骨がどんどんすり減るとその下から骨が出てきます。

 

 

そうやって出てきた骨同士は、足首を動かすとこすれ合いますが、もはや軟骨の様に滑らかではありません。この骨同士がこすれる時にゴリゴリという音が鳴るのです。

 

参考記事

膝の軟骨損傷は手術で再生するのか?痛みへの治療と予防法を医者が解説

 

 

 

足首が痛い原因とは

この足首の軟骨がすり減る事を変形性足関節症と呼びます。高齢者の膝が痛いという話はよく聞くと思いますが、あれは膝の軟骨がすり減った為に起こります。

 

膝の場合は、変形性膝関節症と呼びますが、これらは軟骨がすり減ってきて痛みが出るという点で全く同じ状況です。

 

 

滑らかな軟骨がすり減って、その下から荒い骨がむき出しになり、ゴリゴリこすれ合うのを想像しただけでも痛そうですよね。

 

 

これが、足首捻挫をくり返した足首のなれの果てです。では、そうなる前に何とか治療の方法はないのでしょうか。

 

参考記事

膝の軟骨損傷は手術で再生するのか?痛みへの治療と予防法を医者が解説

 

 

 

足首の痛みはどうやって治療する?

さて、このような足首にはどんな治療が有効でしょうか。

 

最も多くやられているのは、ヒアルロン酸を足首の関節内に注射する治療です。

 

 

足首に限らず関節の中には、ドロドロの液体(関節液と言います)があり、潤滑油の役割をしています。

 

いくら軟骨が滑らかでも、表面が乾燥していてはこすれてしまうので、軟骨と軟骨の間には関節液が潤滑油としてほんの少しだけあるのです。

 

その成分の多くはヒアルロン酸なので、軟骨はすり減ってしまっても何と潤滑油を増やして、関節を滑らかに動かそうとするのがこの関節に注射する治療です。

 

 

確かに選手の多くはこの注射をするとしばらくは楽だと言います。しかし、このヒアルロン酸は次第に体内に吸収されてしまうので、定期的に注射する必要があります。

 

参考記事

膝関節の水腫や音には手術よりもまずは注射をしてみよう!ヒアルロン酸注射を医者が解説

 

 

 

まとめ

ここまで、捻挫をくり返した足首の変化とその治療法についてお話ししてきました。

 

捻挫で靭帯がゆるむ、もしくは切れる

⇒足首がグラグラになる

⇒関節の軟骨がぶつかってすり減る

⇒反骨の下から骨が露出する

⇒その骨がこすれる時に痛くなる

 

という流れでした。

 

 

その治療法としては、関節液と言う潤滑油の代わりに、ヒアルロン酸を足首の関節内に注射するのが一般的でした。また、この注射は定期的に打つことになる事が多くなります。

 

 

 

実は、まだこれで足首の関節の変化は終わりではありません。まだ変化が起こっていくのです。

 

 

例の大学生Mはしばらくヒアルロン酸を注射しながらプレーを続けましたが、ある日の練習中に足首の激痛で走れなくなりました。

 

結局はその後に手術をする事になりましたが、現在は元気に試合に出られています。

 

 

次回はMの足首に何が起こったのかをお話しします。

 

 

 

それでは今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。


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プロフィール

2017-04-08_151306 はじめまして、スポドクKです。私はプロサッカー選手を目指していましたが怪我で諦めました。その後、スポーツドクターを志し、現在はプロ選手からスポーツ愛好家の方々の怪我を治すのはもちろん、彼らの能力が最大限に発揮されるようにサポートしています。私自身がプロ選手を目指していましたし、現在まで多くのプロ選手をサポートしてきたので、スポーツドクターの視点から選手がステップアップするためのヒントをお伝えすることができます。ですから、怪我をしている時はもちろんのこと、怪我をしていなくても私が伝えられることは沢山あるのです。そして、私はアドバイスをする時は、現役時代だけではなくその人の人生全体を見た時にどうするべきかという視点を大切にしています。壁にぶつかったり、行き詰ったりしていて、何かヒントが欲しい時は気軽にお問い合わせ下さい。そうすることできっと前に進めるはずです。 ⇒詳しくはこちら

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