膝の前十字靭帯損傷で手術するべきか迷っている方へ

10.302015

この記事は4分で読めます

こんにちは、スポドクKです。

 

今回は前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)断裂をした一般の方にお話しします。前十字靭帯を断裂するとスポーツ選手は手術する事が多いですが、そうではない方は手術をするか迷う事も多いですので、ぜひこの記事を参考にして下さい。

 

それでは、この記事を読んでいるあなたの能力が最大限に発揮され、所属するチームに貢献できるように祈りながら進めていきます。

 

参考記事
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膝の膝前十字靭帯を損傷した選手のお母さん

前回、私と話し合って前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい=ACL)断裂に対して手術をする事にした大学生のT君のお話しをしました。無事に手術が終わって退院し、それからはリハビリに来るついでにたまに診察室に入ってもらって様子を聞いていました。

 

 

手術から約3ヶ月が経ち、そろそろジョギングができるまでに回復してきました。その診察の日、珍しく母親が病院についてきて一緒に診察室に入ってきました。

 

 

母親の目の前で、ひと通りT君の膝をチェックし終え、「問題ないな。予定通り今日からジョギングを始めようか。」、「じゃあ、予定通りリハビリ頑張って!」と診察を終えようとした時の事でした。

 

母親がためらいながら話し始めました。「実は・・・私の膝も痛いので一度見て欲しいのですが・・・。」

 

 

 

 

病院に来たついでに、ご家族が自分の相談をし始める事はよくあります。「そうですか、いつから痛いんですか?」

 

 

よくよく話を聞くと、半年前に久しぶりに遊びでバドミントンをした時に着地に失敗して右膝を痛めたとの事。その時は、ちょっと痛めちゃったな、くらいにしか思っておらず病院にも行きませんでした。

 

しかし、歩くだけでもガクッと外れる様な感じが最近になっても続くので相談してみようと思ったとの事でした。

 

 

母親(45歳)の膝を動かしてみると、間違いなくACLが断裂しています。念のためにMRIを撮影してみると、予想通りにACLがきれいに切れています。

 

さて、このような場合はT君と同じように手術が必要なのでしょうか。

 

参考記事

▶膝の前十字靭帯断裂からサッカー選手は手術とリハビリで完治するのか?医者が詳しく解説

 

 

 

膝の前十字靭帯損傷には手術を必ずする?

前回も少しだけお話ししましたが、ACLを断裂してもスポーツをしていなければ手術になる事は滅多にありません

 

ACLが切れて困るのは、横に素早い切り返しをしたり、急に止まったり強く踏み込む動作をする時です。

 

それ以外の動きではあまり困る事がなく、日常生活が問題なく出来る事が多いので、手術の適応にはならないのです。

 

 

しかし、どんなにスポーツをしていなくても前十字靭帯損傷をして、この症状が頻繁にあったら手術をした方がいい、というものがあります。そして、彼女にはその症状があったのですが、それは一体どんなものだったのでしょうか。

 

参考記事

膝前十字靭帯損傷の原因と症状とは?医者が靭帯の構造を詳しく解説

 

 

 

膝の前十字靭帯損傷で手術が必要な場合とは?

彼女は、歩いているだけでも膝が外れる感じがする。と言っていました。まさにそれこそ手術が必要となる症状なのです。

 

これを医学的には「膝崩れ(ひざくずれ)」と呼びますが、簡単に言うと膝が亜脱臼しているのです。(※亜脱臼とは脱臼しかかって元にも戻る事です。)

 

 

この症状があると日常生活にも困ってしまうのに加えて、膝の軟骨がこすれて痛んでしまいます。軟骨が痛むと膝が滑らかに動くことができなくなり、ギシギシと動かすたびに痛くなります。

 

 

  • 現在の日常生活に困る
  • 軟骨がすり減る事で将来的に膝が変形していきやすい

これらの理由で、「膝崩れ」の症状がある人に対しては、私は手術を勧めています。

 

 

一般的には上で話したような基準で手術を行うのですが、どんなに「膝崩れ」の症状があっても例外的に手術を勧められない人というのもいます。それはどんな人なのか、これからお話していきます。

 

参考記事

膝の靭帯や骨や軟骨の構造を医者が詳しく解説

 

 

 

前十字靭帯の手術をしない場合

前十字靭帯(以下ACL)の手術の後は少なくともしっかりと半年間はリハビリをする必要があります。

 

スポーツをしている人はこの半年間はどんなにつらくても最後まで続けてくれます。

 

しかし、そうではない一般の方は、仕事や子育てに追われていることや、スポーツに復帰したいというような強いモチベーションも無いので、途中でリハビリに来なくなってしまう方がたまにいます。

 

 

ACLの手術は、手術をするまでが治療の50%で、その後にリハビリを半年やるのが治療のもう50%、と言われているほどリハビリが大切です。

 

ですから、どんなに「膝崩れ」があったとしても、その人の状況を総合的に考えて、途中でリハビリに来なくなってしまいそうだったら、装具やサポーターをしてもらって手術はやらない可能性もあります。

 

 

こういう判断は私としても大変悩ましいところで、「膝崩れ」=手術と単純にはいけないような理由があれば、十分に納得するまで話し合って治療方針を決めていくのです。

 

参考記事

食事の基本をスポーツドクターが徹底解説~全て自分の身体で実験しました~

 

 

 

まとめ

ここまで、スポーツをしない人がACLを断裂した場合の対応についてお話ししてきました。

 

基本的には、「膝崩れ」=手術ですが、そう単純にいかない例もあるのでした。

 

 

結局、T君の母親はひとまずT君がサッカーに復帰するまでは手術できない、との事で装具を付けて様子を見る事になりました。T君はその後も順調にリハビリをこなしているので、そろそろ復帰できそうです。

 

 

そのうち、彼女が1人で私の診察室に来るかもしれません。もし、あなたも困っていることがあったら、コメントに書いて頂くか直接メールを頂ければ、何らかの形でお答えしていくつもりです。

 

 

それでは今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。

 

次回の記事

ヒアルロン酸の膝関節への注射の効果をステロイドと比較して医者が詳しく解説


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プロフィール

2017-04-08_151306 はじめまして、スポドクKです。私はプロサッカー選手を目指していましたが怪我で諦めました。その後、スポーツドクターを志し、現在はプロ選手からスポーツ愛好家の方々の怪我を治すのはもちろん、彼らの能力が最大限に発揮されるようにサポートしています。私自身がプロ選手を目指していましたし、現在まで多くのプロ選手をサポートしてきたので、スポーツドクターの視点から選手がステップアップするためのヒントをお伝えすることができます。ですから、怪我をしている時はもちろんのこと、怪我をしていなくても私が伝えられることは沢山あるのです。そして、私はアドバイスをする時は、現役時代だけではなくその人の人生全体を見た時にどうするべきかという視点を大切にしています。壁にぶつかったり、行き詰ったりしていて、何かヒントが欲しい時は気軽にお問い合わせ下さい。そうすることできっと前に進めるはずです。 ⇒詳しくはこちら

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