鎖骨骨折の治療方法でプレートは子供に使うべきか?医者が手術方法を詳しく解説

09.062015

この記事は5分で読めます

こんにちは、スポドクKです。

 

今回は鎖骨骨折の手術方法についてお話しします。特に子供の手術方法は大人とは異なり、できるだけ傷を小さくしたいものです。その辺りの方法もお話ししていきますので、参考にして下さい。

 

それでは、この記事を読んでいるあなたの能力が最大限に発揮され、所属するチームに貢献できるように祈りながら進めていきます。

 

参考記事
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前回の復習

前回、鎖骨骨折には、

  1. 鎖骨近位端骨折
  2. 鎖骨骨幹部骨折(真ん中1/3)
  3. 鎖骨遠位端骨折(外側1/3)

の3種類があるとお話ししました。

 

鎖骨の分類

鎖骨の分類

 

このうち手術になるのは「3、鎖骨遠位端骨折」で「2、鎖骨骨幹部骨折」は場合によって手術になる事もあります。そして、「1、鎖骨近位端骨折」はほとんど手術になりません。

 

参考記事

▶鎖骨骨折の痛みの完治期間とバンドによるリハビリの方法を医者が解説

 

 

 

スポーツ選手の場合

しかし、それはあくまでも一般向けの話で、これがスポーツ選手となると少し話は変わってきます。選手の場合、最優先されるのはスポーツ復帰の時期です。できるだけ早く復帰できるなら多少のリスクは承知の上です。

 

例えば、前回は鎖骨骨幹部骨折(真ん中1/3)の場合は、美容上の問題で手術になる事があるとお話ししました。つまり、凸凹するとかっこ悪いからそれなら手術をしたい。そういう人も中にはいますよ、という事です。

 

ところが、スポーツ選手の場合は、

  • 美容上かっこ悪い
  • 傷が残る
  • 手術のリスクがある

そういった事を説明しても、早く復帰できるのであればお構いなしです。

 

 

ですから、医者の立場としても出来るだけ早く復帰できる方法を説明する事になります。

 

参考記事

▶鎖骨骨折の痛みの完治期間とバンドによるリハビリの方法を医者が解説

 

 

 

一番早く復帰できる方法とは

さて、鎖骨骨折をした場合最も早く復帰するにはどの方法がいいでしょう。ポイントは、

  • 骨が再び転位(ずれる)する心配が少ない⇒「再発」しにくい
  • できるだけ早くリハビリができる

という2点です。

 

治療の期間が最も長くなるのは、骨折の再発です。つまり、治ってきたなと思って無理をした時にもう一度同じところがずれてしまうのです。

 

 

  • 保存療法(手術をしない治療)
  • 手術

の両方を再発の観点で比べてみると、圧倒的に手術に軍配が上がります。なぜなら、骨折部を金属で固定しているからです。

 

 

そして、リハビリの観点で比べてみても圧倒的に手術に軍配が上がります。手術は骨が付いていなくても金属で固定しているので、腕を動かす事ができます。これは選手にとって非常に大きいです。動いてはいけない期間が長くなるほど、その時に落ちた体力を取り戻すのに多くの時間がかかってしまいます。

 

 

逆に保存療法(手術をしない治療)では、骨が付くまで無理に動かす事ができません。それはそうですよね。また簡単にずれてしまいますから。その期間は4-6週間。この差が大きいのです。

 

 

ですから、スポーツ選手の場合は、骨折部をガッチリと固定できるような手術を勧めて、できるだけ早くリハビリを開始する様にしています。

 

参考記事

スポーツリハビリをするトレーナーの病院での仕事内容と資格と年収を解説

 

 

 

鎖骨骨折の手術の種類とは

では、実際に手術をするとしたらどんな方法があるのかに関してお話ししていきます。

 

 

大きく分けて、

  • プレート(金属の板)
  • キルシュナー鋼線(金属の棒)

によって骨折部を固定します。

 

 

それぞれの手術のメリット・デメリットを紹介しておきます。

 

 

 

プレートを用いる手術の特徴

 

 

まずプレートに関してです。プレートとは金属の板の事ですが、それを骨の上に当てて、両端に何本かのスクリューを打って骨を固定します。

 

大体、プレートと同じ長さの傷をつける事になります。この時に骨を露出させてきれいに整復する事ができます。

 

 

鎖骨骨幹部骨折の手術後のレントゲン プレートとスクリューで鎖骨を固定している

鎖骨骨幹部骨折の手術後のレントゲン プレートとスクリューで鎖骨を固定している

 

 

プレートのメリットは、

  • ガッチリと固定出来る
  • しっかりと骨を見て整復するのできれいな形になる

 

デメリットは、

  • 傷が大きい
  • プレートを抜くにはもう一度手術が必要

 

 

この様な特徴があるので、基本的には成人の選手に対してはこちらを選択する事が多くなります。

 

参考記事
▶足首の捻挫だと思ったら骨折だった!!医者が外果骨折と内果骨折の違いを徹底解説

キルシュナー鋼線を用いる手術の特徴

キルシュナー鋼線とは、1mm前後の金属の棒の事です。この金属の棒を皮膚から挿入して骨を固定します。棒の先を皮膚の外に出しておくこともでき、その場合は骨が付いた後に手術をしなくても引き抜く事ができます。

 

 

キルシュナー鋼線を用いた手術後のレントゲン この場合は鋼線の先は皮膚の中に埋まっている

キルシュナー鋼線を用いた手術後のレントゲン この場合は鋼線の先は皮膚の中に埋まっている

 

メリットは、

  • 傷が小さい
  • 金属を抜く時に手術が必要ない

 

デメリットは、

  • 固定力が弱い
  • 転位(ずれ)が大きい場合はできない

となります。

 

キルシュナー鋼線は主に子供に対して行う手術です。この固定力の小さい手術でも十分な理由をお話しします。

 

参考記事

子供の足首捻挫はテーピングするな!!大人とは違う治療の考え方とは?!

子供の骨折の特徴

ここで簡単に子供の骨折の特徴についてお話しします。子供の骨は、

  • 柔らかい
  • 骨膜が厚い

という特徴があります。(※骨膜とは骨の周囲を囲む膜で、骨の成長に関わっています。)

 

 

ですから、子供の骨折は成人の骨折のようにボキッとは折れません。グニャって感じです。

 

折れるというよりも曲がると言った方がいいでしょうか。この様な骨折に対して「若木骨折」という名前も付いています。

 

 

そして、万が一大きな力がかかって耐えられずに折れたとしても、周囲に分厚い骨膜があるのでずれる事はほぼありません。

 

という事は、子供の鎖骨は曲がっている皮膚の外から軽く押して整復し、その形を保つように固定してあげればいいのです。

 

 

  • できるだけ傷を小さくしたい
  • 骨折の転位(ずれ)が少ない

という条件が重なっている子供ならではの手術方法と言えるかもしれません。

 

参考記事

子供の足首捻挫はテーピングするな!!大人とは違う治療の考え方とは?!

 

 

 

まとめ

さて、鎖骨骨折の手術方法についてお話ししてきました。

  • スポーツ選手はプレート
  • 子供はキルシュナー鋼線

を選択するのが基本的な方針でした。

 

 

これが基本ですが、もちろん場合によってはそうもいかない時があります。その時は医者と十分に話し合って方針を決めて下さい。

 

 

特に体内に金属を入れる場合は、それを抜こうと思ったらもう一度手術が必要であることを忘れがちです。

 

その点も手術方法を選ぶ時の基準となりますので、頭の片隅に置いておいてください。

 

 

 

それでは今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。

 

次回の記事
▶足首の痛みと腫れが外側か内側か前側か後ろ側にあるかで治療が変わる!!医者による足首の痛み部位別まとめ


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プロフィール

2017-04-08_151306 はじめまして、スポドクKです。私はプロサッカー選手を目指していましたが怪我で諦めました。その後、スポーツドクターを志し、現在はプロ選手からスポーツ愛好家の方々の怪我を治すのはもちろん、彼らの能力が最大限に発揮されるようにサポートしています。私自身がプロ選手を目指していましたし、現在まで多くのプロ選手をサポートしてきたので、スポーツドクターの視点から選手がステップアップするためのヒントをお伝えすることができます。ですから、怪我をしている時はもちろんのこと、怪我をしていなくても私が伝えられることは沢山あるのです。そして、私はアドバイスをする時は、現役時代だけではなくその人の人生全体を見た時にどうするべきかという視点を大切にしています。壁にぶつかったり、行き詰ったりしていて、何かヒントが欲しい時は気軽にお問い合わせ下さい。そうすることできっと前に進めるはずです。 ⇒詳しくはこちら

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