骨折とひびを徹底比較!!その症状と治療はどう違うのか

08.212015

この記事は3分で読めます

こんにちは、かじです。

 

今回は骨折とひびの違いについてお話しします。あまり知られていないひびについてのお話しもしていきますので、ぜひ参考にして下さい。

 

それでは、この記事を読んでいるあなたの能力が最大限に発揮され、所属するチームに貢献できるように祈りながら進めていきます。

 

参考記事
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ひびと骨折は何が違うのか

さて、一般的に言われている「骨折」と「ひび」。この2つはいったい何が違うのでしょうか。骨折はボキッと完全に折れていて、ひびはお皿にひびが入ったように完全には折れていない、そんな印象でしょう。

 

 

実は医学的には「ひび」にも骨折という名前が付いています。正確には骨折はいくつにも分類されますが、ここでは大まかに3つに分けて考えていきます。

  • 不全骨折
  • 完全骨折:転位なし
  • 完全骨折:転位あり

 

 

 

そもそも骨折とは何か

ここで一度骨折について掘り下げてみましょう。教科書的には、「骨折は骨の連続性が絶たれた状態。」です。つまりは、「ひび」も骨の連続性が無いという意味では骨折に分類されます。ひびも完全骨折も骨折は骨折。その分類が異なるだけです。

 

 

他にも開放骨折や粉砕骨折など正確にはまだまだ分類しなければならない骨折はあるのですが、話が複雑になってしまうので今回は3つのみに分類します。

 

 

 

不全骨折とは

さて、それではここから3つの分類を1つずつ説明していきましょう。

  • 不全骨折
  • 完全骨折:転位なし
  • 完全骨折:転位あり

まずは「不全骨折」です。

 

 

不全骨折とは言葉の通り完全には骨折していないという意味ですので、「ひび」というイメージにはこれが一番近いかもしれません。また、医学的に「ひび」に近い表現は「骨折線」です。「骨折線はあるけど完全には折れていない。」と言うのが正しい表現かもしれません。

 

当然ながら骨はずれていないので、あて木やギプスで固定するだけで骨はくっ付いてきます。

 

 

 

完全骨折:転位なしとは

完全骨折:転位なしとは、骨は完全に折れているのだけれど、ずれてはいないという状態です。

 

前腕骨折のレントゲン

前腕骨折のレントゲン

 

この状態でも手術になるのは少なく、ギプスで安定すると判断すればそのまま固定となります。

 

 

ただ、固定している間にずれてくる事もあり、その時はやむを得ず手術となります。

 

 

 

完全骨折:転位ありとは

最後に完全骨折:転位ありです。3つの中で必ず手術が必要と言う意味でこの骨折が一番やっかいです。そもそも骨折した骨は、骨折した面(骨折面)同士が接していないとくっ付きません。

 

骨折した骨がちょっとだけ転位しても骨折面が半分くらい接していれば十分に治ります。ずれたものは成長の過程で自然と元の形に近くなってきます。(※これをリモデリングと言います。)

 

 

しかし、転位がひどくて完全に骨折面同士が離れてしまった場合は骨折は治る事はありません。そこで、骨折面をきちんと接してあげるお手伝いをする為に手術をするのです。

 

前腕骨折、手術前のレントゲンと手術後のレントゲン

前腕骨折、手術前のレントゲンと手術後のレントゲン

 

ですから、手術をする理由はそのままでは骨折した骨が付かないからです。あくまでも骨が付くのは自分の治癒能力なのです。

 

 

手術の方法は様々ですが、何らかの金属を使って骨折面を接する様にする。ただそれだけです。

 

 

 

骨の治癒過程とは

骨折が治ってくるのにはまず仮骨(かこつ)というものができます。

 

これはまさに仮の骨で骨折部の周りを囲むようにできてきます。骨折すると骨が太くなると言うのはこの仮骨の事です。

 

骨折後の治癒過程のイメージ図。

骨折後の治癒過程のイメージ図。

 

そして次第に本来の骨に置き換わっていきますが、

骨はもろい骨なのでこの段階で無理をすると再骨折になりかねません。

 

 

しっかりと骨が付くのは2-3ヶ月かかります。(※年齢によってその期間は異なり、もちろん若いほど短くなります。5-6歳までは1ヶ月くらいでも十分に治癒する事も珍しくありません。)

 

 

まとめ

では、ここまでの内容をまとめていきます。

 

まず骨折は大きく3つに分類され、

  • 不全骨折
  • 完全骨折:転位なし
  • 完全骨折:転位あり

転位のある骨折は手術が必要なのでした。

 

手術が必要のない骨折はギプスで固定して骨が付いてくるのを待ちます。

 

そして、治癒過程では仮骨ができ、完全に骨がくっ付くまでは2-3ヶ月必要です。

 

 

ここには出てこなかった骨折の種類や詳しい手術の方法は後日にしましょう。

 

 

 

それでは今回はこの辺で失礼します。ありがとうございました。

 

 

 

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プロフィール

はじめまして、かじです。私はアスリートを目指していましたが怪我で諦めました。その後、スポーツドクターを志し、現在はアスリートからスポーツ愛好家の方々の怪我を治すのはもちろん、彼らの能力が最大限に発揮されるようにサポートしています。私自身がアスリートを目指していましたし、現在まで多くのプロ選手をサポートしてきたので、スポーツドクターの視点から選手がステップアップするためのヒントをお伝えすることができます。ですから、怪我をしている時はもちろんのこと、怪我をしていなくても私が伝えられることは沢山あるのです。そして、私はアドバイスをする時は、現役時代だけではなくその人の人生全体を見た時にどうするべきかという視点を大切にしています。壁にぶつかったり、行き詰ったりしていて、何かヒントが欲しい時は気軽にお問い合わせ下さい。そうすることできっと前に進めるはずです。 ⇒詳しくはこちら

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